ハート 一人芝居 戯曲
データ↑
あらすじ↓
鳩と友達の話
本文↓
ハート
🔈鳥の羽ばたき
公園のベンチで座っている
サンドイッチを鳩にあげている
「美味しいですか？そうですか。朝にですね、パン屋さんで買った、ちょっと良い食パンなんですよ。そうそう。いつもあなた達にあげているパンの耳をもらっているお店の、食パン。白いところは初めてですか？そうですか。」
🔈くるっぽー
「あ、今日はですね、じゃーん、具もあげちゃいます。ハム。レタス。オニオン。あ、鳩ってオニオン良いんだっけ？」
瑞希はスマホで調べる
「へー、駄目なんですね。オニオンだけは自分で食べようかな」
瑞希はスマホの電源を切る
瑞希はスマホに写った自分の顔を見る
瑞希は笑顔を作る
「落ち込んでんだなぁ」
瑞希は鳩を見る
「え、みなさん気づいていました？そう、今日の昼食は気合を入れて作ったのです。普段のパンと違いましたものね。具もね、普段はハム、終わり！ジャム、終わり！チーズ、終わり！ってしてるんですけど、色々と入れちゃったり。パンにバター塗ったり。わざわざ、ランチボックスに入れたり、気合い入れたんですけどねー」
🔈くるっぽー
「そう。人に食べてもらおうと思って。作ってきましたよー、って言ったら、瑞希さんが作ったのは食べれないって、言われちゃいまして。私が勝手に作ったんで仕方ないんですけど。昨日、講義でグループワークする時に初めて結城さんと話しまして。あ、結城さんって言うのは、このサンドイッチを食べる予定だった人です。話してみたら、地元が一緒で、上京組で、大学に友達がいなくて、お昼は一人で食べてて……とにかく、共通点が多くて、嬉しくなっちゃって。明日、一緒にお昼を食べようって約束したんですよね」
🔈くるっぽー
「テンションが上がっちゃって、気合い入れて空回っちゃったんですよね。だめですね。みなさんとは普通に話せるのに。人間だと緊張しちゃいますね。あーあ、くるっぽー、くるっぽー」
🔈鳥の羽ばたき
「結城さん。え、謝らないでください、どうしたんですか？え、あ。ああ、なるほど。人の作ったモノが苦手なんですか。そうですね、瑞希さんが作ったモノが食べられない、とはかなり印象が――、いや、私が勝手に作ってきちゃったんですから。え、私？全然平気ですよ。公園で鳩に囲まれながら今まで昼食は食べてるくらいですから。おにぎり結城さんの手作りですか？はい、食べたいです！おなかすいちゃって、鳩に全部あげちゃったから。座ります？」
瑞希と結城がベンチに座る
「わー、おにぎり久しぶりかもです」
💡FO
「美味しそう」
🔈鳥の羽ばたき
「集まってきた！」
🔈くるっぽー激しく
END
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