星取り 一人芝居 戯曲
データ↑
あらすじ↓
意味の話
本文↓
星取り
暗転中
🔈森の音ON
🔈森の音OFF
希はスマホの電源をつける
希の顔がスマホで照らされる
💡明点
希は虫取り網と虫籠と大きなリュックを持っている
希は空を見上げている
「あれが、北極星」
希はスマホを置く
「北極星!」
希は北極星を取る
「取れた!北極星!」
希はスマホを拾う
希は北極星の説明を読む
「北極星。北極星とは、北側の極星のことで、天の北極に最も近い輝星を意味する。北極星!あ、星の名前じゃないんだ。北極星」
希は北極星を虫籠にしまう
希はスマホを見る
希は空を見る
「あれが、オリオン座」
希はスマホを置く
「オリオン座!」
希はオリオン座を取る
「捕まえた!オリオン座」
希はスマホを拾う
希はオリオン座の説明を読む
「オリオン座。トレミーの48星座の1つ。ギリシア神話における登場人物オーリーオーンを題材とした星座。オリオン座!へー。オリオンビールは関係ないんだ。オリオン座」
希はオリオン座を虫籠にしまう
希はスマホを見る
希は空を見る
「あ、流れ星!」
希は流れ星を捕まえる
「流れ星!宇宙の星屑!流れ星!」
希は虫籠に流れ星をしまう
希は虫籠を見る
「なにも入ってない!カラだ!無意味!」
希は大の字に横たわる
「あー、最高!」
♪着信
希は上半身のみ起きる
希は電話に出る
「はい。佐藤の電話です。いえいえ。はい。ごめんなさい、昨日から見ていなかったので。まあ、そんなところです。はい。はい。少し待ってください」
希はリュックからノートパソコンを取り出す
「一昨日のメールで送っているはずです。あ、じゃなくて、社用のPCにあるはずで。Gメールの方の。分かります?あ、今再送しますね、すぐ送れるので。そうですね、気づかれなかったら、送った意味がないですよね。すみません。はい。はい。あ、そうなんですね。じゃあ、送っといてもらえれば。確認するんで。しないと、私のいる意味が無いですから。はい。はい。いえいえ。お気遣いありがとうございます。送りました。確認お願いします。はい。失礼します」
希はしばらくノートパソコンを扱う
「は。何で私、休暇中に仕事してるんだろう」
希はノートパソコンをしまう
「何してんだろう。あー!何してんだろう!」
希は大の字になる
「あー!わざわざ休暇を取って何してんだろう!」
希は上半身を起こす
「あんなんばっかり。するべき仕事はしてるのに、あれ何処ある?たしかめ、お願いします?休暇中にごめんね?謝るくらいなら連絡をよこすなよ!あー!」
希は大の字になる
「無意味なことがしたい!してたのに!してたのにー!もーやだ」
希は起き上がる
「あ、電源切らないと、また来るかも」
希はスマホを手に取る
♪着信
間
希はスマホの電源を切る
「休暇中だから」
希は座り込む
間
「あれなんだろう。緑の星」
希はスマホに近づく
「さっきから、調べてた。星に意味を求めてるじゃん、私。あー。自己嫌悪」
希は虫籠を見る
「ごめんね。君たちは勝手に名付けられただけなのに。同じことしてるね」
希は星と星座を逃がす
希は空を見る
「緑で柔らかい光」
希はゆっくり緑の星を捕まえる
「捕まった!ん?蛍じゃん」
希はあたりを見渡す
「蛍いるんだ」
希は蛍を逃がす
希は空を見る
希は伸びをする
🔈鈴虫の音
「鈴虫いたんだ。気づかなかった」
🔈森の環境音
💡暗転FO
END
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