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あっちこっち 一人芝居 戯曲
データ↑
あらすじ↓
忙しい話
本文↓
あっちこっち
「ゆうくん、なにこのライン。ゆみちゃんとイチャイチャしたいって。ねえ、説明してよ。妹?そんなふざけた言い訳しないで。帰る。もう別れよう。待てじゃないよ。放して。信じられるわけないでしょ!仮に、信じたとしても、妹にイチャイチャしようなんて送るシスコン野郎とは付き合いたくありません。もう金輪際、連絡もしないでください。さようなら」
好実は部屋を出ていく
好実ははける
好みは別の家の前で呼び鈴を押す
「まあくん、好実だよ!」
扉の開く音
「急にごめんね、入れてくれない?ありがとう」
好実は部屋に入る
「暖かい。まあくん何してたの?あ、アニメ見てたんだ!このアニメ、好実も見たよ。うん、まあくんが好きだっていうから、1話だけ見ようかなって。そしたら、面白くて、一気に見ちゃった。面白いよね。まあくん、センスいいから。え?うん、ちょっと、嫌なことがあってさ。それで、寂しくなっちゃって、それでまあくんに会いたくなっちゃって。ねえ、今日、おうち泊まってもいい?」
間
「ダメ?なんで?さっきまで?カラオケに行ってたよ、一人で、駅とここの途中にある、お店。なんでって、嫌なことがあったから、ストレス発散。嘘なんて、ついていないよ?え、何、この地図?GPS……まさか、このゴム。最低!まあくんからの心のこもったプレゼントだと思って、肩身離さず持っていたのに。最低!帰る!待ってって何よ!教えるわけないじゃん!好実のこと疑ってたんだ。バカ!」
好実は部屋を出ていく
好実ははける
好みは別の家の前で呼び鈴を押し激しくノックする
「じゅんくん、好実だよ、開けて開けて」
扉の開く音
好実は部屋に入る
「え、どうしたもこうしたもないよ。もう、今日は本当に最悪。ゆうくんは裏切るし、まあくんには疑われるし。もう、最悪、最悪、最悪。うん、飲む。ココアが良いな。じゅんくんは優しいよね。うん、そう。ゆうくんとまあくんのこと。うん、甘い方が好き。もちろん。じゅんくんが本命だよ。二人は遊びだから。別れられたたら別れているよ。努力はしているんだよ。けど、なんかタイミングがなくて……。
じゅんくんのことは大好きだよ。一番やさしいし。結婚するなら、じゅんくんって思ってる。なんでそんなこと言うの?なんで信じてくれないの?だから、二人は遊びだって言ってるじゃん。別れるなんて言わないでよ。ひどい。帰る。じゅんくんのバカ!」
好実は部屋を出ていく
好実ははける
好みは別の家の前で呼び鈴を押す
「さとるくん、好実だよー開けてー。おかしいな、明かりはついてるのに」
好実は鞄から合鍵を取り出して開ける
「さとるくん、来ちゃった。何してるのさとるくん。その人だれ?なんで裸なの?ああ、冬だから。エアコン使ったら?節電しているんだ」
好実はエアコンをつける
「さとる君のバカ!」
好実は部屋を出ていく
好実ははける
好実は扉を開けようとするが開かない
「げんごろうくん、好実だよ!入るね」
好実は合鍵で部屋を開ける
「げんごろうくん、はげまして!誰その子。え、制服。高校生?中学生!犯罪だよ。娘?結婚していたの?私は不倫相手ってこと?あ、離婚はしているんだ。そうなんだ。そっか。なんで言わなかったの。いや、言わないとダメでしょ。ビックリだよ。まさか、彼氏にこんなに大きな子供がいるなんて、思うわけないじゃん。お茶?いらない。帰る」
好実は部屋を出る
「最低。みんな嘘つき。みんな嘘つき。みんな嘘つき。好実が一番嘘つきか。あーあ、一回、全部、投げ捨てて、すっきりしようかな。ずるずるここまで来ちゃったし。さみしいな」
電話の音
「もしもし、ゆうくん。いいよ、謝らなくて。͡好実ね。え、好実無しじゃ生きていけない?そんな、そんなこと言わないでよ。好実だって、ゆうくんのことは大好きだよ」
ラインの音
好実は別のスマホを取る
「ちょっと待ってね。あ、まあくん。なんで謝ってるの?好実が悪いんじゃん。え、疑ってごめんて……好実もごめんね。うん、私も別れたくない」
色んな着信音が流れ出す
無音
「みんな大好きだよ」
END
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