コラージュ 詩
黒。
黒。
黒。
スーツの男たちが地下から沸き上がる。
地下鉄の出入り口。
朝の東京、出勤風景。
また別の地下鉄の出入り口。
人。
人。
人。
画一的な黒ではない。
大学近くだから。
朝の東京、通学風景。
一方、海にて。
平日の昼間、人はまばら。
カメラを持った人。
子連れ。
などなど。
共通項は乏しい。
潮風が人々を撫ぜる。
移り変わって、店先。
列を為す、人々。
よっぽど、その店に入りたいのだろうか。
それにしては、しかめっ面。
不満げで、不機嫌。
すぐに入れる店にすれば良いものを。
夜が訪れ、オフィス街。
明かりが消えていくビル。
明かりが消えぬビル。
千差万別、白黒白。
行きは揃い踏みで、黒黒黒。
帰りは散り散りにて、黒。
日をまたぐ直前の駅前。
別れを告げる集団。
別れを惜しむ二人。
吐き疲れ眠る人、介抱する人なく。
終わりに追われる。
電車に時間を支配され。
深夜の海、人はなし。
波音。
波音。
波音。
風。
風。
風。
ザボンッ。
やっと出てこれた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?