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たぶん朗読 都合の良い存在

都合の良い存在

いま君と話ながら思い出している

君が僕を生んでくれた
出会いは君が三歳の頃
初めてのお留守番
一緒におままごとをしたね
僕の名前はむーくん
君は僕に色々な動物を教えてくれた
図鑑やぬいぐるみを使って

その日から
君が一人の時には僕がいた
僕の前には
いつも君がいた

君が小学生になって
僕は君の相談相手になった
誰かに言えなかった言葉
それを全て僕にくれた

君が10歳になった頃
君は僕が見えなくなった
君は僕が必要ではなくなった

僕は死んだ

君が大人になってから
たまに僕は夢の中で生き返る
夢の中で会う君は疲れていて
可哀想

死ねばいいのにと思った
僕の様に
死ねばいいのにと思った
楽になるのに

ある日から夢でも会えなくなった

次にあったのは昏睡中
ボロボロの君は生き返ろうとしていた
あきらめれば良いのに
死んでしまえば良いのに

僕と一緒にいようよ

そう言いたかった
言えなかった

戻っていった君に
またね
と手を振った
君は
待っててね
と答えた

そして
久しぶり

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