Yoshitaka Imoto

編集者・ライター/兵庫生まれ愛知育ち

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2022年に観た映画まとめ②

2022年に観た主な作品について。 明け方の若者たち(2021年/松本花奈) カツセマサヒコさんの小説を映像化。映画で改めてストーリーを思い出しながら鑑賞。設定や情景、音楽含めて好きなジャンルの世界観に変わりはなかった。 良いも悪いも「もうあの時には戻れないな」と感じる瞬間は誰しも訪れる。その儚さとかやるせなさとか後悔とか、ノスタルジーに浸らせてくれる要素が散りばめられてるのがこの作品の魅力だと思う。 マカロニえんぴつの「ヤングアダルト」の“ハロー絶望”という表現はキラ

    • 2022年に観た映画まとめ①

      Instagramに印象に残った映画・エンタメをメモとして残しているのだが、せっかくなのでnoteにも転載してみることする。今回は2022年に観た主な作品について。 偶然と想像(2022年/濱口竜介監督) 2022年の劇場で観た1本目。3つの短編からなるオムニバス集。タイトルの“偶然”と“想像”がフックになった三種三様の物語と発想が衝撃的で、自分の世界観を広げてくれた1本。 ちょっと思い出しただけ(2022年/松居⼤悟監督) 池松壮亮、伊藤沙莉主演のラブストーリー。“過去

      • 夏から秋に感じる変化と人生における“折り合い”について

        9月を半ばを迎え、残暑を感じる日もあれば、季節の変わり目を感じられる日もある。1年の中でもこの夏から秋へと変わっていく「変化」を感じることは、春夏秋冬と季節がある中でも自分が生きていることを強く感じるためのバロメーターとなっている。 この夏に自分の日常に訪れた些細な変化がある。それは「ブラックコーヒーが飲めるようになった」ということだ。正確には以前から飲むことはできたが、美味しいと感じることはなかった。コーヒーに砂糖を入れない、ということを続けていたら苦ではなくなり、むしろ

        • 「誰にも言えないこと」の置きどころ。

          ここ数日、とあることで悩む、ほどまではいかないが「どうしようか」と考えていることがあった。 普段、仕事や生活で知りたいことがあれば人に聞いたり、ネットで調べたりするのだが、今回の件に関しては気軽に人に聞けば答えが出ることはないし、ネットに正解が転がっているというものではないと思っていた。 生きていると誰にも言えないことってあるなと思う。 それは「本当は誰かに話していいこと」なのかもしれないし、「自分の中にとどめておきたい理由があること」なのかもしれないし、「誰かに話して

        2022年に観た映画まとめ②

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        • 上京5周年
          3本

        記事

          上京5周年【後編】〜明日もきっと、この街で生きていく〜

          2021年夏。 新型コロナウイルスによる無観客開催が中心という特殊な状況に置かれたまま、世界最大のスポーツイベント、オリンピック・パラリンピックが東京で開催された。 4年間東京で夢を追いかけ続け、時には夢叶って歓喜し、時には夢破れて挫折を味わってきた自分にとって、これもまた一つの夢だった。 しかし、ただ「夢叶えたい」という上京当時に思っていたキラキラした気持ちと現実世界でのリアルの苦しみや葛藤を理解した上で挑んだこの仕事は、これまでとは違う気持ちも感じていた。 202

          上京5周年【後編】〜明日もきっと、この街で生きていく〜

          上京5周年【中編】〜変わり始めた世界、“東京の人”になっていく自分〜

          「東京生活には慣れました?」 上京してからこの質問を何回されたか分からないが、この問いに自信をもって「慣れました」といえる日はなかなかやって来なかった。 東京タワー、渋谷スクランブル交差点、新宿ゴールデン街、井の頭公園、浅草、東京ドーム、神保町のカレー屋、池袋サンシャイン… いわゆる東京の名所と呼ばれる場所には行ってみたし、面白そうなイベントには顔を出した。仕事でも上京しないと会えなかったような有名人に会えたり、行きたかった場所に行く機会も増え始めた。 でも、内心では「

          上京5周年【中編】〜変わり始めた世界、“東京の人”になっていく自分〜

          上京5周年【前編】〜夢目指した日々と味わった絶望〜

          もうすぐ上京してから5周年を迎える。 兵庫県で生まれ、愛知県で育った自分が東京に出るなんて、またそこで5年も暮らすようになる人生を送るとは想像していなかった。 両親が関西で育ち、漠然と思い描いていた子どもの頃のライフプランは「関西で普通に暮らし、阪神戦を見ながら楽しく暮らしていたい」というものだった。 そんな自分がなぜ東京に出ることになったのか? 「夢を叶える」 小っ恥ずかしさは今でも消えないのだが、理由を聞かれれば、東京に出て自分の夢を叶えることだった。それ以上でも

          上京5周年【前編】〜夢目指した日々と味わった絶望〜

          ぼくがロンドンを目指す理由。

          2022年も気がつけば幕を開け、1月も半ばにさしかかる。これまで今年の目標をキッチリ立てるということはなく、漠然と今までの積み重ねで生きていくことしかなかったのだが、今年に関しては明確に立てた目標がある。それが「イギリスのロンドンに行く」というものだ。 なぜイギリスに行きたいのか。それを自分自身に問うて刻むためにも、こうしてnoteとして形に残しておきたいと思う。 まずは、自分が幼少期に経験した海外滞在歴が一つのきっかけとしてある。父親の海外転勤に伴い、7歳〜8歳にかけて

          ぼくがロンドンを目指す理由。

          東京で出会った喫茶店とおじいちゃんのこと。

          東京という街は流れの速い街だ。 上京してきた数年前、最寄りの駅の近くにとても雰囲気の良い喫茶店を見つけた。長くからその街に暮らしている人にとっては馴染みの店のようだった。 休みの日に朝食をとりにその喫茶店に行くと、ご老人が新聞を広げながら朝食を食べていたり、夫婦が仲良くコーヒーを飲みながら会話をしていたり、各々がその喫茶店での時間を楽しんでいた。 チェーンのカフェのようにコンセントがあったり、回線のいいWi-fiが使えるわけではないけれど、その喫茶店にいる時間がとても好

          東京で出会った喫茶店とおじいちゃんのこと。