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「のれんに腕押し」戦法

ここ1か月くらい、
ほぼ毎日、
モモちゃんは家族くんに
「6時に起こしてちょうだい」と頼んでいる。
そしていつも
6時より前に自力で起きて、
テレビをつけている。
そして6時ごろからは
朝ご飯を食べる家族くんの隣に来て、
ああだこうだ話しかけているようだ。

「カラオケ、明日、来るのよ!」
「シャワーはしません!」
「チョコレートの都合が悪いのよ!」

暑くなってからというもの、
私はその時間、
庭で水まきをしている。
うちの中から、
モモちゃんのワアワア言う声が聞こえる。
それに対して
家族くんが何を言っているのかは、
ほとんど聞こえない。

ただ、これまで、
モモちゃんが家族くんの言動に怒ったり、
キゲンを悪くしたことはない。

私「私より、ヘルパーさんより、
モモちゃんと、
ちゃんと話しているような気がするけど。
なんか、コツがあるの?」
家族くん「えっ、フツーにしてるけど。フツーに」

モモちゃんが
「フツーとはちょっとちがう」わけだから、
フツーに返事をしては、
うまくいかないと思うんだけど、
だからヘルパーさんも
結構、たいへんな目にあっているんだけど、
フツーにしてるって、
どういうことやろう。

家族くん「あー、コツやないけどな」
私「何?」
家族くん「モモちゃんの言うことに、
さからわないようにしているかな」

さからわない!?
逆らわない?

モモちゃんは女帝か??

確かに話を聞いていると、
モモちゃんが言うことに、
いちいち「ふーん」「あー」「へー」「それなに?」
と返しているけど、
「知らない」とか「それはいけない」とは言っていない。

参考になるなあ。
逆らわなければ、
攻め込まれないわけか、
モモちゃんの場合。
名付けて、
「のれんに腕押し」戦法やな。

ちなみに
家族くんのお仕事は製造業で、
人とはほとんど接しない。

どうやってこの戦法を身につけたのか。
本人にもわからない。

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