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苦痛のほとんどは、本人にもわからない

モモちゃん「大福もちの黒い服、いる?」
私「いるよ」
モモちゃん「アイスキャンディー行こうね」
私「いいよ、行きましょう」

今日も私とモモちゃんは、
トンチンカンな会話を繰り返している。
猛暑だから…じゃなくて、
春夏秋冬、こんな感じ。
キゲンさえ悪くなければ、
こんなトンチンカンも楽しい。
でも、
それは家族の会話だから。

モモちゃんは以前から
「お泊りに行く」と言っていた。
私も本格的に
ショートステイという名の「お泊り」について
準備してきた。

でも、
デイサービスをキョヒったモモちゃんが、
一晩、
おうちの外で過ごせるかなあ…

ショートステイのスタッフさんに、
モモちゃんが
「大福もちの黒い服、いる?」と尋ねたら、
スタッフさんは
どんなふうに、答えるかしら?

あ、ちなみに私にも意味は不明。
「モモちゃんの今の気分は
大福もちの黒い服なんだろうなあ」
と思うから「いる」と答えているだけ。

うちの男子×3もきっと口を揃えて
「何それえ、いる、いる」
と笑ってリアクションすることだろう。

家でも、おでかけでも、
モモちゃん語を私が「意訳」して
ヘルパーさんに慣れてもらってきたけど、
ショートステイの場合は、
意訳したり慣れてもらう時間はない。

モモちゃんは、
ヘルパーさんに話が通じないと、
「おなかが痛い」と言い始める。
おなかが痛いのではなくて、
本当は、
リアクションしてもらえなくて
「気持ちがつらい」のだけど、
なかなか言葉にできないから、
「おなかが痛い」になってしまう。

部屋が蒸し暑くてキゲンが悪くなっていても、
シャワーの温度が高すぎて不快でも、
モモちゃんは説明できない。
説明できない以前の問題で、
自分がどうしてフキゲンなのか、
自分でもわからない。

原因不明のまま、
大きな声を出したり、
モノを投げたりする。
そうなったら、
ショートステイの場合、
どうなっちゃうんだろう。

ついこの間、
ヘルパー事業者のリーダーさんや、
相談員さんが集うミーティングがあった。
「デイサービスも
ショートステイも行かないとなると、
お姉さん、つらいですよね」と言われた。

そうか。多くの人は、
デイサービスやショートステイを
利用しているんだな。
広島でのモモちゃんも、
一応、利用はしていたもんな。
毎回、
母と大ゲンカしていたけど…

でもモモちゃんに限らず、
うちにいるとホッとするのは
誰でも同じだもん、
モモちゃんも、うちにいたいよね。
楽しく暮らせるように、
日々、バージョンアップしてるんだから、
家が一番に決まっている。
家族はモモちゃんを熟知しているから、
そりゃ、行き届いていて当たり前。
モモちゃん自身が自覚できない痛みも、
私には最近、
だいぶわかるようになっている。

それでも、
「こないだ楽しかったから、もう一度行きたい」
という行き先ができないかなあ。

やってみるしかない。

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