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【雑記】インターネットやめないで

クリスマスってやつが好きなんですよ。
浮足立った街並みに、お堅い銀行ですら浮かれたイルミに囲まれて。
現実もインターネットも一帯の空気がポップに色づくあの時期が。

あけましておめでとうございます。
ぼくです。

2024年も一週間が過ぎようとしている今日日、どうしてクリスマスの話なのかって、単純な話。クリスマスが好きだから。
まだあれから二週間しか経ってませんよ。もう忘れちゃったんですか?

たまにフィクションで、中学、高校生あたりのキャラクターが未だにサンタクロースを信じている描写がある。
あれが意外と他人事ではなくて、ぼくも中学2年の正月過ぎあたりまで信じていた。

幼稚園に通っている頃、毎年クリスマスになると全園児が遊戯室に集められクリスマスイベントが行われていた。
大きなプレゼント袋を背負った赤衣のサンタクロースがやってきて、園児一人一人に手渡すと「Merry Christmas!」と声を上げ立ち去る。
すると園児たちはトナカイの曳くソリが飛び立つ姿を一目見ようと一斉に窓へと駆け寄る。
当然そんなものは実在せず、単なる真っ白な雪景色に対して組に一人は居るであろうお調子者がデカい声で「飛んでるの見えた!!!」「あそこに足跡ある!!!!」と叫ぶわけ。
それが我々ガキ共にとってかけがえのないロマンのひとときなのだけど。

そんな期間限定のトキメキをぼくは、他人よりちょっとだけ欲張りに抱えて生きてきた。
ぼくから取り上げたのは一人のポルトガル人だ。
恨めしそうに言ってしまったが全くそうではない。
当時の外国語指導者、平たく言えば「英語の先生」。
冬休み明けのちょうどこの時期、新学期最初の英語の時間に彼は言い出した。

「〇〇幼稚園にサンタさん役で行ってきたよ」

なんだって?
耳を疑ったね。
ずっとあれは本物だと思っていたから。

思えばサンタクロースの正体に気付けるタイミングなんていくらでもあった。
「サンタクロースなんていない」という言葉を耳にしたことが何度かある。
"サンタクロースを信じる子供"を嘲笑する者を見たこともあった。
ただぼくは、あくまでそれは"サンタクロースの存在を信じていない人"、程度にしか思っていなかったのだ。
言語化が難しいけど、宇宙人はいないとか、ネッシーはいないとか、非実在を証明できないものの見たことがないものを拒絶する派閥の意見だとばかり。
サンタクロースをフィクションではなく未確認生物と捉えていたのかもしれない。
なにせクリスマスの朝には実際にプレゼントが顕現しているのだから。
否定派の話を聞いても「ああ、そっち側なのね」と。

しかし英語教師の放った一言は、サンタクロースは存在すると主張するための最有力候補である "会ったことがある" を完全に否定されたのだ。
ジョルダーノ・ブルーノを処刑に追いやった天動説支持者の気持ち、といったら流石に宗教を蔑ろにしすぎか。
ただ物的証拠というのはそれほどまでに強力だった。

その日の授業は全く頭に入ってこなかった。
しかし帰宅してその出来事を母親に話したが、一切認めなかった。
「サンタさんはいるよ」という母の方針は絶対に曲げなかった。
そして今でも母はサンタクロースが存在する体でぼくに接している。

そんな話を、いつもこの時期になると思い出す。
ぼくにとってはとてつもなく衝撃的な出来事だったから。


大人のぼくはいい加減UMAとフィクションの違いを理解している。
サンタクロースを一種のキャラクターと捉えるのなら、それがぼくの最初の推しだったのかもしれない。
毎年知らぬ間に訪れ、気配もなく見返りも求めないヒーローが大好きだったし、その名残りかクリスマスは今でも心の浮つく"良い日"となっている。
だからこそ過ぎれば即撤収され年末年始のごたごたに飲み込まれていく風潮に寂しさを感じている。
好きなイベントってのはもっと、一か月くらい引きずってもいいんじゃないかな。


何が言いたいのかって、わからないけど。
ずっと続いていくと思われたトキメキを失うショックはほとほと強烈で、しばらく引きずることだってあるだろう。
そうして失った経験がもしかしたら何かに繋がったり、成長したり。
きっとそういうものが見えていないとやっていけないのだと思うけど。
だったら見えていなくても繋がると信じて生きていくしかないんだよな~~って、寝正月ながらに思ったりしたのね。

正直良い年だったとも言い切れない2023年が過ぎ去り、心のどこかで色々と引きずっていた一年もキリがいいので、ここらでスパッと切り落としてきたい。
忘年にしては手遅れな気もするけど。

禍福の全てをインターネットに掌握されているうちは恐らく手を引いたりすることはないので、何かに乗り移られたりでもしない限り、これからもよろしくおねがいしたいばかりです。
きっと実在するぼくは、ずっと芋嬢千里のままだから。
なんでも、いつでも受け入れてやるよ。どんと来い、超常現象。
上田次郎教授もそう言っています。
2024年はちょっとくらい成長できるといいな。
それが、今年の抱負かな。

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