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欲しいまでの気持ちと妊娠について

※今回のnoteは、人によってはとてもデリケートな話題だと思いますので、子供を持つことに関して不安な気持ちや辛い想いがある方は読まれないことを推奨します。

このnoteはあくまで私個人の気持ちの変遷を記録することが目的です。
しかし、自分自身がこれまで何年も子供を持つまたは持たないことについて、どちらのスタンスも取れずに悩んでおり、そういう気持ちをSNSやブログ等で公開してくれていた人々の考えに触れることで、徐々にこの問題に向き合うことができました。
そのため、もし同じような立場の人がいた場合、私のこの記録も1つの事例として参考になればと思います。


最初に

結論から言いますと、結婚後6年間妊娠しなかったのですが、この度ついに妊娠しました。
11月の日記に不妊治療クリニックに行った旨を書いたんですが、クリニックでいくつか検査をして、じゃあこれから治療を始めましょう、というタイミングでまさかの自然妊娠をしました。

そんなミラクルある?!と正直自分自身が一番驚いています。だって20代の半分を使っても妊娠できなかったのに、30代のこのタイミングで...という。
結果として治療はせずに妊娠しましたが、不妊治療クリニックに通うと決めたことや、そもそも子供を持つか否か悩むなど、この6年間で様々なことを考え、気持ちの変化などもありつつ今に至ったので、その記録を残しておきたいと思います。


結婚直後の意識について

まず前提として、私は別のnoteで書きましたが、諸事情があって結婚のタイミングを想定より早め、ほぼ学生結婚に近い形で結婚しました。
その為、結婚したらすぐ子供が欲しい!というタイプではなく、2.3年は夫婦でのんびりしたい、というのが当時の本音でした。
ただ、4歳年上の夫はすぐに子供ができてもオッケー!むしろそっちの方が嬉しい!なタイプだったので、まぁ授かりものだし、元々子供は好きだし、成り行きに任せて子供ができたらそのまま産んで育てよう、というゆるっとした意識で結婚生活がスタートしました。

そんな状態だったため、結婚後あっという間に2年が過ぎても私自身に焦りはあまりありませんでした。
むしろ、その間にキャリアについての悩みが増え、徐々に「いつか子供は欲しいなと考えていたけど、仕事で特に強みもなく弱い立場のまま、このタイミングで子供を持って私は大丈夫なのだろうか?」という不安が強くなっていました。

私の勤める会社は地元でそこそこの規模はありますが古い体質で、ごく最近まで出産したら必ず部署異動、女性の昇進試験では結婚や出産の予定を聞かれるなど、今の時代では完全にアウトな対応をしていました。
特に私の所属部門は男性ばかりで、総合職の女性は私だけという環境のため妊娠出産に関わらず普段から苦労は多かったです。
また当時、同世代の友人たちが結婚出産し、子育てのために仕事を辞めざるを得なかったという話を立て続けに聞いていたことも不安を煽りました。

そしてプライベート面でも、大人2人での自由な暮らしは想像していたよりもずっと快適で幸せで、正直子供がいない現状に全く不満がありませんでした。自分は本当に子供が欲しいのだろうか?という疑問さえ生まれつつありました。


結婚2年後に判明した不妊

そんな時、仕事の疲れが溜まったのか不正出血があったため近所の産婦人科に行きました。
その際に、私が既婚子無しということを知った医師から「まだ若いけれど、将来子供を持たないと決めている訳ではないなら、ついでに検査だけでもいかがですか?」と勧められました。
あまりにサラッと勧められたので、自分も深く考えずに、まぁ自分の体のこと知らないと将来の計画も立てられないよねと思い、検査を受けました。
結果として、軽い気持ちですべきでは無かったなと今は思っています。

詳細は省きますが検査結果は良くなく、医師からは「うちだと簡単なタイミング法の指導までしかできない。不妊の原因についてちゃんと知るにはもっと詳細な検査をした方がいいので、高度不妊治療も視野に入れて専門のクリニックに行くのを勧めます。」と言われてしまいました。

思えば私は昔から生理周期がバラバラだったし(しかし症状は軽めで日常生活に支障は感じていなかった)、この2年間で周りで結婚した友人たちは結婚後まもなく妊娠報告がありました。
もしかして自分が想像するよりも、妊娠って案外すぐにするものなのかも...と考えたことはありました。
ただ、私としてはそろそろ本格的に妊活(主にタイミング法のイメージだった)するか、まだキャリアを優先するか決めなきゃくらいの感覚だったため、いきなり飛び出た高度不妊治療という言葉に完全に萎縮してしまいました。


不妊治療への恐怖

結婚生活が進むにつれ、案外自分がキャリアを大事にしたい気持ちが強いこと、夫婦2人の暮らしがとても幸せで不満が無いこと、今のタイミングで子供を持つことでそのバランスが崩れるのではないかという不安が出てきていた私にとって、不妊治療の検討というのはものすごいプレッシャーになりました。

当時の心境としては、絶対に子供が欲しい訳でも、絶対に子供が欲しく無い訳でもなく、気持ちにグラデーションがある状態でした。
しかし、子供が欲しいなら能動的にアクションを起こさないと授からないことが判明したことで、嫌でも子供が欲しいか、欲しく無いか自分のスタンスを決める必要が出てきてしまいました。

もともと子供が欲しい夫は「治療をやるだけやってみて、ダメだったら前向きに2人で仲良く暮らせばいいと思う。ただ、妊娠出産という行為においては女性の意思が絶対だと思うから、治療をするしないをこちらで強制はできない。」と言ってくれました。

そんな夫の希望を叶えたい気持ちはありつつも、こんな風に気持ちが揺れている状態で不妊治療に臨んでいいのか?という想いがずっとありました。
また、不妊治療について調べてみるととにかく心身の負担が大きく、当然ですがいつまでやれば授かるというような保証もありません。
その時の私の仕事内容を考えても、現実的にキャリアとの両立は大変難しく、不満の少ない今の生活を手放してまで、結果が出るか分からない暗闇に飛び込む覚悟ができませんでした。
そして何より、子供がいてもいなくても幸せだと感じている今の気持ちが、不妊治療に進むことで子供がいないと不幸、という気持ちに変化してしまうのではないかという恐怖が一番強かったです。

そんな風にいつまでもぐるぐる思い悩んで動けずにいたところ、世間がコロナ禍に入り急速に生活が変化したこともあり、結局私はこの問題に20代のうちに向き合うことができませんでした。夫が何も言わないでいてくれる優しさに甘えて、仕事に打ち込むことでやり過ごすことになりました。


30代を迎えて

その後コロナ禍も明け、徐々に落ち着いた生活を取り戻していく中で30代になりました。
この年齢になると、周りの方達が子供を持つまたは持たないことについて、それぞれ悩み考えているという話をリアルでもSNSでもよく聞くようになりました。

私自身、比較的早く結婚したのに子供が長年いないことで、良くも悪くも周りからそういった話題を振られる機会が増えました。もちろん相手との関係性や場面によってはそのことで傷つくこともありました。
しかし、20代の頃は1人で抱え込んで悩んでいたことが、実は周りにも似たような思いの人がいたり、過去に同じ様な経験をした人がいたりすることが分かり、徐々にこの問題に落ち着いて向き合えるようになってきました。

また、男性ばかりでこういう話は理解されにくいだろうなと思っていた職場で、実は長い不妊治療の末に子供に恵まれた人や、若い頃に治療をしたけれど授からず今は夫婦2人で仲良く暮らしている人、当初は子供を希望していたけれど妻の要望でDINKSを選択した人などに出会いました。そのそれぞれが、今の生活に幸せを感じているということを仰っていたのがとても励みになりました。

さらにこの数年間の間に、不妊治療をする場合に障壁となっていた様々な問題について、取り組みやすい条件が揃ってきたことも後押しになりました。例を挙げると、

・金銭面
→不妊治療費が保険適用になった
・労働面
→社内規定の変更や異動によりフレックスや有給が取りやすい環境になった
・家庭面
→仮に子供が産まれてもワンオペ必須、過労死を意識するレベルで激務だった夫が転職し時間に余裕が生まれた

などがあり、今のタイミングなら前向きに不妊治療にチャレンジできるのではと思うようになりました。
そして夫婦でもこの問題についてちゃんと話し合う時間を設けるようになり、その過程で、例え不妊治療が辛く結果が出なかったとしても、夫となら乗り越えていけるだろうと思えるようになりました。


最後に

この心境に至るまでに結婚から6年もかかってしまい、不妊治療をするという観点からするととても勿体無いことをしたという自覚はあります。
それでも私自身は、不妊が分かったあのタイミングで、子供が欲しいのかどうか戸惑いと不安を押し殺しながら治療をしなくて良かったと思っています。

どんな結果になろうと、受け入れて幸せに暮らしていこうという心境になれたことで、実際に妊娠した現在についても、必要以上に不安を抱えずにいられます。
そして今回は本当に幸運なことに、覚悟を決めた途端に自然妊娠したため、結局あれこれ悩んでも人生何が起こるかは分からないな...と強く思いました。この悩んだ期間も含めて今後の糧になればと思います。
そもそもまだ妊娠中という身なので、無事に出産するまではどうなるのか分からないのですが、それでも夫となら頑張っていこうと思えます。

因みに不妊治療すると決めても内心はビビりまくっていたので、あまり期待値を高めても...という弱気な気持ちから、先日公開した家探しでは2LDKでも可として物件を決めてしまい、その後妊娠発覚となりました。
恐らく夫婦共有の寝室と子供部屋になるので個室の夢は儚く散りましたが、広さ的には余裕がある間取りだし、最悪敷地が広いので離れを建てても良いしと割り切ってしまうことにしました。

今年は妊娠出産に住宅購入に引っ越しなど、人生のイベントがこれでもかと押し寄せてくる一年になる予定なので、今から気合いを入れていきたいと思います。

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