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表コミ授業日記⑦ 同じ目線に立とうとする試行錯誤が素晴らしかった話

こんにちは、古谷(あき)です。

表コミ授業日記⑦。
小学生クラスでやったゴミ拾いの話です。

残念ながらボランティアではなく、拾わせたのも私だけど散らかしたのも私(笑)
ゴミ拾いを模した、「目隠しゴミ拾い」というワークです。

目隠しゴミ拾い

散らばったゴミを全部拾ったらクリア。
ただし、トングを持ったゴミ拾い役は、目隠しをしなければなりません。
2人1組になって誘導役がつきます。誘導役の言葉に従って動いて、ゴミを拾っていくワークです。

やってみると、これが意外と難しいんです。

誘導役の思った以上に動き過ぎてしまったり。
今度は逆に動かな過ぎたり。
相手は見えてないのに、思わず「こっち!」なんて言っちゃったり。
「右」や「前」などの指示が、身体の動きかトングの動きか取り違えたり。
「右」という指示が平行移動なのか、右向け右なのか取り違えたり。

普段、いかに視覚情報を使ってコミュニケーションしているかに気付かされます。

対面から横並びへ

1回目は、そんな失敗に笑いながらも、
「なんでそんなに動くのー?」「ちゃんと指示してよー!」
と、基本的には全部相手のせいにしていた子どもたち。

しかし、役割を交代して2回目、ペアを変えて3回目。変化が訪れます。
象徴的だったのは、1回目にゴミ拾い役、2回目に誘導役をやっていたある男の子の行動でした。

1回目、ゴミ拾い役のときには、全然うまくいかない意思疎通に
「なんでよ!」「ちゃんと指示してよ!」
と笑ってツッコミ続けていた彼(うまくいかないことを大笑いして面白がっているのも彼のすごさですけどね!)。

2回目の誘導役が始まってすぐ、「右」と言った彼の意図と逆方向にゴミ拾い役が動きました。
反射的に「なんで!」と声が出た直後、彼は「あ、そっか」と呟き、ゴミ拾い役の対面から真横に、自分の位置を変えました。

自分にとっての左右と相手にとっての左右が異なることに気づいたのです。

当たり前っちゃ当たり前ですけど(笑)
でも、ひとつの象徴的な気づきだったのだと思います。

ゴミ拾い役、誘導役の両方の立場を経験して、意思疎通がうまくいかないのは相手の指示が下手だからではなく、お互いの状況の違いがあったからだと気づいた彼。

そこから彼の指示は、「相手がどう受け取るか」ということを意識した伝わりやすい指示に、どんどんと変化していきました。
目立った変化は立ち位置の変化でしたが、他にもたくさん、相手の立場に立つための試行錯誤があったのだと思います。

他にも。

状況の違いを越えるための共通言語が生まれていたペアもいました。

「右回転!前!トング前!トング右!トング前!トング前!パチン!」

身体を動かして欲しいときは動き方だけ、トングのときは「トング」をつける。
「パチン」はその場で挟む、のようです。

そして素敵なのが、その挟んだゴミをゴミ袋に入れるときは、トングをひらけばそのまま入るように袋を持っていってあげるところ。

ゴミ拾い役も、素直にトングを開くところが素敵です。
苦労してせっかく拾ったゴミを落とすなんて、ちょっとは怖さがあってもおかしくないはず。
でも子供たちは、相手が下に袋を用意してくれていることを信じきって、一切躊躇せずにトングを開いていました。

「相手の隣に立つ」「言葉の決め事を作る」「ゴミ袋を持っていってあげる」

自分達でみつけた様々な工夫は、自然と他の班にも共有され、みんなのコミュニケーションがどんどんレベルアップしていきました。

最後にはこんな細かいゴミまで全部拾い切って、ミッションコンプリート。

「相手の立場に立って考えよう」

言葉にしたら陳腐ですが。
初回は悪気なく、全部相手のせいにしていた子ども達が、逆の立場の経験も経て培っていったのは、そういう事なのだと思います。

指示の上手さだけでなく、うまくいかなかったときの反応も、どんどん相手を理解した反応に変わっていきました。

彼らが変化していったのはこのゲームをクリアするためですし、それが日常と繋がるなんて意識は全くないかもしれません。

というか、たぶんないです(笑)

でも、ゲームの中で相手の立場に立とうと繰り返した試行錯誤は、言葉で何度も言われるよりもきっと、彼らの中に刻まれたのではないでしょうか。
それがいつか花開く日が来るといいなぁと、願っています。


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