東京五輪感想記

東京五輪閉幕から一晩、この2週間の感想を徒然なるままに書き記す。

オリンピックグッズのショップ

家の近所にアンテナショップができたのが2020年の春(多分)。
人が立ち入っているのを見たことがなく、「おいおい大丈夫かよ」と心配していた。オリンピックが始まるとグッズを求める客が押し寄せ、賑わいを見せていた。1年強設置された分の経費を上回る利益は出たのだろうか。

無責任な期待と重圧

過度にメダルが期待されている選手はしんどいだろうなと思う。自分の指導者だけでなくメディアにまで勝手に金メダルを期待され、国民もメダルは持って帰ってくるだろうと無責任な重圧をかける。
誤解を招く表現になりかねないが、メダルを期待されていない競技はいい。実況者も解説者ものんびりと競技や選手の豆知識をお話し、日本の選手が見えると「今、日本の〇〇が見えましたかねえ」とひとこと。またお話に戻っていく。これこそスポーツを楽しむための実況と解説ではないか。

なんの競技だったか忘れたが銀か銅か、メダルをかけてインタビューに答える選手の顔が通夜に列席したような顔だった。
銀メダリストと銅メダリストが時々口にする「自分の弱さがでた」とか「申し訳ない気持ちでいっぱいです」とかいうのもこうした過度な重圧のせいなんだろうなと思う。
スケートボード女子ストリートは非常に良かった。銅メダルを獲得した中山選手はインタビューに対し「メダルが取れて嬉しいです」と回答。そうだよな、嬉しいよな。メダルが取れたら嬉しいんだよ。

怪談~2021夏~

表敬訪問に訪れたソフトボール女子の後藤選手の金メダルを噛んだ名古屋市長のニュースは本当に笑えない。
被害にあった後愛想笑いをしている後藤選手の映像が流れた後、「大人の対応でえらい」だの「俺だったらぶっ飛ばす」だの外野がやいやい言っているが、当の本人からしてみれば咄嗟のことに頭と体が動いていないし、多くの大人に囲まれて感情を表すことができなかったにすぎないはず。女性が痴漢に遭った時、恐怖とショックとさまざまな理由で助けを求められないのと同じ心境ではないだろうか。
この胸糞の悪さに耐えていた時、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」のワンシーンを思い出した。第5話、仕事とプライベートをごちゃ混ぜにするモラハラクソ社長の求婚を主人公・とわ子が断るとクソ社長は激怒。「手を差し伸べてくれた人にお説教ですか」というセリフを受けた後のとわ子の心のナレーション「なんだこれは、ホラー映画か。」
そうか。これはホラー映画か。というより怪談だ。今まで聴いたどんな怪談よりも背筋が寒くなるし怖いと感じる話である。

君にはシンシンがついているよ

大豆田とわ子ついでにもう一つ。スケートボード女子パークで4位入賞を果たした岡本選手を見てなんとなく思い出したのがシンシンと翼。
「スポーツの世界の一番は勝った人じゃないよ。good loser。負けた時に何を思ったか、何をしたかで本当の勝者は決まるんだよ。」
岡本選手の540は絶対に見たいし、それで世界をひっくり返してほしい。

TOKYO

卓球ダブルス混合決勝、「NulbarichのTOKYOが流れている」というツイートが。
Nulbarichのファンとして見逃すわけにはいかないと録画を見直してみたがわからなかった。
「タイトルがTOKYOの曲流しときゃいいだろう」みたいな理由で選ばれたのだろうが世界の選手に、世界のリビングにNulbarichが少しでも流れたのなら幸いである。
まあその基準だとKing GnuのTokyo Rendez-Vousを流さなきゃいけなくなるし、Nulbarichと180度違う性格のKing Gnuをどう処理しよう。

世界に認められた男たちが世界を盛り上げる

ANNリスナーでありフェスキッズ(2回しか行ったことがない)である私からすれば閉会式のテンション爆増度はハンパなかった。
おいおい待ってくれ。スカパラが出るなら閉会式のチケット買う努力はしたし松永が出るなら閉会式の時間にバイトを入れなかったのに!聞いてないぞ!!

せっかくParadise Has No Borderを演奏し松永も演奏に加わっていたのに、スカパラメンバーによるコールとそれに対するレスポンスがなかったのが残念。GAMOさんの「閉会式で1番盛り上がってるのはどこだ〜〜!!??」という煽りがあればもう少し閉会式も盛り上がったのではないだろうか。
スカパラのステージといえばメンバーが歌唱用マイクを持っていなくても楽器用マイクで煽りを入れてくるイメージなのだが、閉会式での煽りが一切なかった。

私がDJ松永を、Creepy Nutsを知った5年前、世間はそんなに彼らに注目していなかったし、そんな状況に彼らは吠えていた。
2019年、松永はDMCで自分の実力を世界に見せつけた。1位をもぎ取った。この功績は彼が自分自身を縛っていた呪縛を解くだけでなく、日本を代表する世界的イベント参加への切符になるなんて誰が想像しただろう。

一つだけ気になる点としては、閉会式の英語実況で「Creepy Nuts」という単語が一度も出てこなかったこと。国際的な公式の場では使えないユニット名ということなのだろうか。

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