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ボカロ調声方法の会 00 「調声の種類」

はじめに

こんにちは、IMOです。
「ボカロ調声方法の会」というシリーズを作ります。
今回は「調声の種類」について話そうと思います。
初回ということで、少し具体的な内容をやって雰囲気を掴んでいただこうという魂胆です。
次回は哲学的な「調声とは何か、そもそも調声は必要か」を語ります。
今回は哲学に蓋をして、とりあえずすぐに生かせる内容となります。

ここから内容

調声による発音の種類

一言に調声と言っても無限に方法が存在します。
まずは発音のさせ方についてになります。
その中でIMOは大まかに以下の2つの種類に分けられると気付きました。
全発音型
半発音型
これはIMOによる造語ですので、他の場所では通じない可能性があります。
世の中ではまだボカロの調声というのは未開拓のものですので、造語になることは仕方がないということにさせてください。
そんな目で見ないでください、IMOの知識が無いだけとか言わないでください、許してください。
では各発音型の調声をなさるクリエイターさんをIMOの聞こえ方の主観で挙げつつ、発音の特徴を語ります。(念のためイニシャルのみで失礼いたします。)

全発音型
例 : ボカロPのMさん、ボカロPのYさん、某ゲームの調声部門
全発音型というだけあり、とてもはっきりした発音が特徴です。
歌詞や言葉が均一に聞き取れる、もしくは均一にしようとしている調声方法です。すべての言葉を聞こえやい方向に調声します。人間で言うと、複数人アイドルやミュージカルでよくみられる発音です。
半発音型
例 : ボカロP&調声師のCさん、調声師のSさん、調声師のBさん、IMO
半発音型というだけあり、あえて発音を濁らせることもあるのが特徴です。
音程的な表現力を重視していたり、歌詞の内容に応じて発音が変化します。
はっきり聞こえる場所とあえて濁らせる場所の対比を使い調声します。
人間で言うと、ソロのアーティストさんや歌い手さんに多い発音です。

このように分けてみると色々なことが見えてきます。
もちろんここには書ききれないほどたくさんのクリエイターさんがいらっしゃいまして、書いていない範囲も含めての傾向を話すと、
例えば、ニコニコ動画で神調教タグが付きやすいのは全発音型だったり、外国語圏の調声師さんは半発音型が多かったり、近年は日本国内でも半発音型が増えていたり、ソフトウェア開発は全発音型方向に進んでいたり、といった感じです。

調声の方法の種類

こちらも一言に方法と言っても無限に方法が存在します。
その中でIMOはまた大まかに以下の2つの種類に分けられると気付きました。
ピッチカーブ調声
ノート分割調声

こちらのIMOの造語です。また、造語です。そんな目で見ないでください。
しかしこちらは先程の発音と違い、両方組み合わせるクリエイターさんもいらっしゃいますし、1曲の中で混在することもあったり、発音の種類とは関係がなかったりします。
「まぁ無理やり分けるならこんな感じ」という程度です。
でも、こだわりを持って、どちらかに絞って調声なさる方も、何人か知っておりますし、IMOも数か月前まではノート分割調声のみでやっていました。
これから具体的に解説していきます。

ピッチカーブ調声
名前の通り、ピッチカーブを使って調声していく方法です。VOCALOID Editor で言うところのピッチベンドです。もちろんほかのダイナミクス等も使いますが、一貫して言えることは、鉛筆ツールで曲線を描いていくということです。比較的素直な発音になりやすいです。二重母音や三重母音のような複雑なことにはあまり向いていませんが、視覚的に調声することには向いています。
ノート分割調声
名前の通り、ノートを分割する調声です。ベンドや、フォールなどもノート分割で作ります。1つの言葉を発するために複数のノートを使うことが特徴です。ノートが分割されるため、二重母音や三重母音も可能です。全体的に声を張っているような調声に向いています。しかし、分割の割合や長さを間違えると、子音が発音されなくなったり、不安定な歌唱表現になったりするので、視覚よりも、聴覚や経験や知識が必要です。

今回のまとめ

つらつらと語ってまいりましたが、色々な発音や調声方法があります。
今回は大まかにそれぞれ2通りに分けることで説明いたしました。
発音の種類は、音源を少し聞けば割とはっきり「こっちの発音だな」と分かりますが、調声の方法は簡単に分けられるようなものではありません。
ぜひ皆さんもボカロの調声を楽しんでみてください。
次回は、そもそもボカロに調声は必要なのか、調声とは何なのか、人間じゃダメなのか、などの哲学を語ります。

自分語りパート

IMOは、半発音型の典型例だと思います。調声方法はノート分割のみで長らくやってましたが、ノート分割ではどうしても安定しすぎる部分があり、ピッチカーブ等も使うようになってきました。
特にビブラートはピッチカーブを自分で書いた方が好みの感じになります。
そう、「良いか悪いか」ではなく「好きか嫌いか」が音楽には重要なのです。まぁ、哲学的なことは次回にします。
お疲れ様でした!

※「VOCALOID(ボーカロイド)」ならびに「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。


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