みのむしのはなし
添い寝での寝かしつけって、いつ卒業しちゃうんですかね。
夫婦共働き。
しかも私、フルタイム勤務。
挙句、最近残業多くて、触れ合いタイムがほとんど無くて、むしろこちらからお願いして添い寝させて頂きたいぐらい。
オットが洗濯物を室内干ししている間、私は娘達と添い寝。
まぁ、あれやこれやと毎日おしゃべりする。
年中の長女のクラスには、お友達が20人くらいいて、毎日名前の出て来る子も居れば、あれ?そういえば最近お名前きかないよね?っていう子も、中には居る。
なんとなく、最近お名前聞かないよね。っていう子の名前を出してみた。
「〇〇ちゃんとは、今日遊んでないの?」
「…〇〇ちゃんとはもうあそばない」
一瞬の間と、暗がりでも分かる、強張った空気。
本人が、あまり話したく無さそうな雰囲気だったので「ふうん?」とその場は流してしまった。
「すーちゃんはねぇ、ブロックしたよ」と、次女。
今日は何をした。
汗をかいて着替えた。
園庭で蟻を見つけた。
また着替えた。
動物将棋で男の子に勝った。
どうぶつのパズルもあるんだよ。
そんな話を一通りした後、洗濯物を干していたオットの気配が無くなったので「よーし、そろそろお母さん行くね」と声を上げた。
このタイミングで添い寝を終えれば、洗濯物を干すのを手伝わなくていい、とかそんな理由じゃぁない。たまたまですよ。たまたま。
「まだいっちゃヤダー」と腕にしがみつく娘達を「ガハハハ」と悪い笑い声を上げながら布団の上に押し倒し、キャァキャァ喜ぶ次女をまず毛布でグルグル巻きにする。
「おまえなんぞ、ミノムシにしてやる~」と、顔だけ出して、毛布でぐるりと包み込む。
逃げられないようにマウントポジション取ったら、両頬とおでこと鼻の頭にキス。額と額を合わせると「もっとして」とおねだり。
ギュウと抱き締めて、しっかり見つめて「おやすみ」。
「お待たせ~」と言いながら「ウハハハ、ミノムシさんになれぇ」と長女も毛布でぐるりと巻いて、同じ目に合わす。
一通りチュウしたら「〇〇ちゃんに、あした『ごめんね』する」とポツリ。
ん?どうしたの?ケンカしちゃったの?と訊ねると「わかんない…」。
怒らせちゃったの?と聞くと「うん…」と少し言い淀んだ後に「〇〇ちゃんが、わたしのことヤダっていうの」と、顔を歪めた。
そうかぁ。
困ったねぇ。
ヤダって言われたら、嫌だねぇ。
少し前、この長女は、私が「会社で意地悪されたよ」と愚痴った時に「さきに、おかあさんがいじわるしたんじゃない?」と私に言った。
「多分…お母さんはしてないんと思うんだけど…」と私が反論すると「したとおもってなくても、しちゃってることもあるかもよ。よーくかんがえてみな」と言った。
この小さな胸で。
この小さな頭の中で。
一生懸命、ヤダと言われた理由や、ヤダと言われた原因が自分にあるんじゃないか、とぐるぐる考えたのかと思うと切なくなった。
「ゆーちゃんは、〇〇ちゃんと、仲良くしたいの?」と聞くと、少し悩んで「わかんない」と言った。
そっかぁ。
大人だって、合わない人と≪この人とはここまで≫って距離感の線引きするの、なかなか難しいしね。出来ないことも多いし。
「明日、ゴメンねしてみて、また仲良く遊べるといいね」と言うと、「うん」と笑った。
今朝、いつもより遅い時間に、娘達を保育園へ送って行くと、駐車場で〇〇ちゃんに会った。
「あ!ゆーちゃん、おはよう!」と、向こうから元気に挨拶してくれた。
長女も、全く気にする素振りなく「おはよう!あとであそぼうね~!」と答えていた。
二人の間で何かあったのか、なかったのか、結局分からないけれど、今日も娘が笑っているなら、それでいい。
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