見出し画像

記事紹介:【闘病】SLE

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しておこう。

全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的な全身性自己免疫疾患の1つであり、抗DNA抗体などの自己抗体産生を特徴とする炎症性の免疫疾患である。自己抗体が自身の核などを標的とする為、延々と免疫反応が起こり続け、全身性にあらゆる症状を呈する。代表的な症状は皮膚や腎臓の炎症であるが、神経や肺、心臓など多様な臓器に障害を生じる。また、自己免疫反応であり、根治療法が存在しない。

今までの記事でも病気の名前は出してきたが、その実際や詳細について患者さんの体験をベースにまとめている上記の記事は読んでみると勉強になると思い、紹介させてもらった。一般の人は中々知らない事が多いだろうが、自己免疫疾患の多くは根治療法が存在せず、ステロイド系免疫抑制剤などによって免疫反応全般を抑えることで寛解を目指している。また、記事ではステロイド系免疫抑制剤の副作用についても触れられており、自己免疫疾患治療の難しさと、QOL低下の問題がよく理解出来るだろう。

記事の後半では新型コロナウイルス感染時の神経症状についても触れられている。この患者さんのケースがSLEと新型コロナウイルス感染のどの様な関連を示唆しているのかは分からないが、新型コロナウイルス感染自体が自己免疫疾患の悪化・発症リスクである事や、新型コロナウイルス感染が神経系症状を引き起こす危険なウイルスである事は過去に何度も説明している通りである。症例報告ベースでは、新型コロナウイルス感染後の新規SLE発症例の中に、末梢神経症状を伴う症例も報告されている(J Med Case Rep. 2021;15:29.)。免疫抑制剤服用時には全身性に免疫が抑えられた状態になっているため、基本的に感染症のリスクが上がっている。感染症と自己免疫疾患、免疫抑制剤などについて今一度考えるきっかけとしてほしい。

この記事で、自己免疫疾患の恐ろしさと難しさ、その治療の問題点などが少しでも伝われば幸いである。自己免疫疾患の多くは遺伝的要因と環境的要因の複合によって発症する。遺伝的要因についてはどうしようもないが、ハイリスクな遺伝的素養があれば尚更、「予防」という概念が重要になる。一度発症してしまうと根治させる事は不可能だからだ。つまり、何が自己免疫疾患のリスク要因となるのかを十分に理解しなければならない。ウイルス感染やストレス、生活習慣など多様な要因が存在する事は過去の記事で説明してきた通りである。また、核酸ワクチンという極めて危険なモダリティが自己免疫疾患のリスク要因となる事も明確な事実である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?