【短編小説】剽窃人間と時間旅行
私はかつてエリートだった。
小中高大と学問成績は常にトップ。私にとっては教科書と講義の内容を覚えていれば簡単に満点が取れるテストで点を取れない意味がわからなかったのだ。
そうやって学歴街道をひたすら登り詰めたのだが私には課題があった。何になれば良いかという答えのない問いであった。そんなものはどの文献を探しても見当たらなかったからである。
しかしながら若き私は焦るでもなく寧ろそういった事由を小馬鹿にしていた節がある。自分自身の理念だの夢だのをもつ他の誰も私より優秀ではなかったた