【日記】20230718

低音 2023/07/18

 夜。苦しい、悲しい、もうやめたい、そんな気持ちが低音のように胸を支配している。その気持ちのもとを辿ってみても、まるで霧のようで、正体をつかむことはできない。いつもそうだ。何が苦しいのか、何に苦しんでいるのか、そのもとを言語化できたためしがない。だから解決のしようがない。
 それでいて、時たまふらっと連絡をよこす知人のような距離感で、なんともはがゆい。いつも一緒にいるわけではないけど趣味とか波長が似ている友人のような佇まいで、まいってしまう。だから、訪れたときには招き入れる。大したものは用意できていない (突然来るからさ) けれど、まぁ、ゆっくりしていってほしい。あなたも、大切な私のひとつなのだから。
 優しいスピードで今日も夜が更けていく。諦めながらも生きながらえる。何を期待するわけでもなく、ストーリーも無く、アンビエントな時を過ごす。モノクロで、でもときどき夏空の配色に感嘆して、その日の用事を済ます。会えた人と話して一寸笑って、週末は気の合う人たちと楽しんだりして、それとなく生きる。隣のキミが笑ってくれたら、もうそれで。


夏、思い出 2023/07/18

 おそらく夏が来ている。もう、すぐそこにいる。一息ついて、チャイムを鳴らそうとしている、その二分休符。夏が来る。
 小学校とか中学校とか高校とか (一言でまとめると未成年期) は、夏が好きだった気がする。中学高校時代の夏は、もっぱら部活をしていた。夏休みの校舎は退屈そうに、それでいて生真面目に今日も私たちを招き入れる。昨日も会ったし明日も会う人たちと一緒にずっと居る、一緒の目標があって、ぶつかって、笑って、日が落ちて、今日も一緒に帰る。明日もきっと暑くて、楽しくて、ずっとこのままだといいのに、なんて思う。夏にはそんなイメージが纏わりついている。夏特有の空気感、夏のかもし出すエネルギー。それが好きだったような。
 でも、大学に入ってからは少し変わった。環境が変わって、自分も変わって、人も変わった。正直言って、上手くいかなかった。夏が、太陽が、じりじりと苛むように私を見る。きっとなにか悪いことをしたのだろうけど思い出せない。夏は一層圧を増す。弱くなって、ぶつかって砕け散ることを恐れ、自然と人と距離を置くようになった。夏を遠ざけた。
 おそらく私は (本当は) 夏が好きなのだろう。おそらく。今は、まったく同じなわけではないが、中学高校時代の心でいる。夏のエネルギーに呼応するように、いや、夏のことを認めるように、自然と愛することができる。ただ、大学時代の心も十分に理解できる。そういうこともあるだろう。なんなら今でもそうだろう。
 つらいことも、いいことも、すべてを認めてあげることができたら。

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