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読書記録

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感想文を書くのはなかなか苦手なのですが極力書くようにしています。
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#人生

フランクルの人間観と思想をもっと知る(知の教科書フランクル・諸富祥彦)

ヴィクトール・フランクルの本は「夜と霧」「それでも人生にイエスと言う」を読んだがそれらには書かれていなかったことが多く書かれていた。 フランクルが取りあげられる際にはアウシュビッツの強制収容所での出来事にスポットがあたるが、提唱したロゴセラピーや実存分析は収容所に送られる以前から考えられていた。それよりももっと驚くのはフランクルが4歳のときに「生きる意味への問い」に目覚めたということ。 この本は、大きく分けて2部構成になっている。 ◆第一部 フランクルの生涯と思想形成

オオルリ流星群(伊与原新)

久々に小説を読みました。僕の好きな伊与原新さんの「オオルリ流星群」です。 高校三年の夏、文化祭の出展のために空き缶で巨大なタペストリーを作った仲間たちは年を重ねて四十五歳の中年になっていた。 その中の一人は国立天文台の研究員を経て、高校時代の地元に戻り天文台を作るという。当時の仲間たちは28年ぶりに再会し、再び高校の時にタペストリーを作った時のように暑い夏の製作が始まる。 私設天文台を作るという夢を持つ彗子、親を後を継ぐ薬局店員の久志、高校教師の千佳、会社を辞めて弁護士

「それでも人生にイエスと言う」を読んで

前回の記事でヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧 新版」について書きましたが、もう少し深く知りたいと思い、同じくフランクル著の「それでも人生にイエスと言う」を読んでみました。 著書とはいえ、この本は1946年に行われた講演がもとになっていますが、アウシュヴィッツ強制収容所での体験をもとに、精神科医、心理学者らしく生きる意味について分析された学術的、哲学的な内容になっていました。 「夜と霧」より深い内容で面白いのですが、なぜか読みにくかったです。個人的なものかもしれません