マガジンのカバー画像

読書記録

26
感想文を書くのはなかなか苦手なのですが極力書くようにしています。
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

藤井総太は、こう考える(杉本昌隆著)

金、権力、成功などを手に入れた人を羨むことをなかれと言われれば受け入れられるかもしれない。だけど、好きなものに出会えた人は羨ましいと思う。 今年は遂に八冠を達成した藤井総太氏。 彼の思考や精神について師匠の杉本昌隆氏が書いた本を読んでみた。 強い理由とは、常に将棋のことを考え、研究をしていること。 そこには集中力、構想力があり、探求心がある。そして常に平常心を保っている。しかし、その姿は「努力」というものとは少し違うもののようだ。 将棋が好きで、将棋と共にいることが幸せで

全ては推しと共に(「推し、燃ゆ」・宇佐美りん)

21歳が書く「推し、燃ゆ」。なんで芥川賞を受賞したのだろうかと思っていたが、ようやく読んでみた。 “推し”という言葉が一般化されたのはいつ頃だろう。 主人公の女子高生が推しているアイドルがファンを殴ってしまう。 そしてネットが炎上するところから始まるが、最終的に「推し、燃ゆ」とは違った意味で完結する。 学校生活は勉強も人間関係もうまくいかない。家庭の人間関係もあまりよくない。しかし、生活は「推し」がの中で充満している。起きてから寝るまで。バイトでお金を稼ぐのも「推し」の