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「割合」は理数系の隠れた基礎

授業に入っていると、気づくことがある。とくに理数系の分野に入るのだが「あれもこれも大体割合の話」なのである。

自慢では全くない、私事から始まって恐縮だが、子どものころにあまり勉強に口を出さない母が徹底して私に身につけさせたものが算数で三つある(と記憶してる。)。

「かけ算九九」と「割合、比の計算」と「速さ、道のり、時間」である。

かけ算九九に関しては、「言えないと家に上がらせてもらえなかった」らしく(あんまり覚えてない)、泣きながら「ににんがし、にさんがろく」とやっていた(らしい)。母の名誉のために断っておくが、いわゆる教育ママとは全く違うので、勉強について厳しくされたことはない。もしされていたら、もうちょっとテストの点数良かったはずだ。

「割合、比の計算」と「速さ、道のり、時間」は、たしか問題集を解いて・・・ということだった気がする。お風呂上がりかなんかの時間に解いて、答え合わせをして、というやり方だったかな。

ちなみに、家庭学習というものをほとんどやらなかった人間なので、僕のイメージする家庭学習はここで終わる。なので、生徒たちに家庭学習のやり方とか教えようとしてもなかなか難しいのだが、それはまた別の機会に。

後年、なんでそこだけ、集中してやったか、母に聞いたときには「ここでつまずくとあとに大きく響く」ポイントだったらしい。中学校の授業の現場に入ると、母が押さえたかったポイントがいかに効いてくるかを実感している。

「かけ算九九」は言わずもがな計算の基礎である。これができなければ計算問題は絶望的だ。「速さ、道のり、時間」は単位変換の基礎と理解している。あとに出てくる「密度、体積、重さ」など、関係を行き来する訓練。

「割合、比の計算」は、おそらく理数系の基礎にあたると最近気づいた。理科で言えば質量パーセント濃度、湿度、数学は関数、面積比、体積比、相似、その他もろもろ。よくよく見てみると「割合」の話。

もっとシンプルにいえば「一つ当たりにする」、「割合」の感覚がないと、理数系の半分は解けない。「一つ当たりにする」感覚は、「基準を決めて比較する」理数系の基礎になっているからだ。

そもそも、数字を使って計算することは「割合」が含まれてないとできない。1に対して「2倍の量」が2になる。数学的な厳密な定義はもしかしたらもっと別にあるかもしれないが、そう思う。

確率も広義の「割合」と考えれば、最先端の数式も大体「割合」になる。・・・まあ、かなり暴力的であると思うまとめだが。

話はぶっ飛ぶが、分人主義のように、今後、「私の考え」も「賛成6割」「反対3割」「未定1割」みたいに「割合」が考えられてくる時代が来ると思う。「賛成」「反対」のゼロイチデータではなく、「割合」でも計算できる、グラデーションをとらえられるようになってきている。

「割合」でとらえる、という訓練も日常でしておくと、世界は少し平和に向かわないかなぁ。

以下オマケ

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