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キャプチャーボードのPCIeのレーン数について

DeckLinkのPCIe仕様について、Blackmagicに問い合わせて勉強になったのでシェアします。

今回、引っかかったのはDeckLink Quad HDMI Recorderの推奨PCスペックの「PCI Express 8レーンジェネレーション3」という表記。

まず、この表記自体の意味について
「PCI Express」と「8レーン」と「ジェネレーション3」の2つに分けて、説明します。
また、最後にGPUとキャプチャーボードを同時に搭載した場合の注意点についてもまとめました。

PCI Expressとは
マザーボードの拡張スロットには、PCI-Expressという接続規格があります。略して PCIe、PCI-Eのように表記されることもあります。
詳しくは、ここを読んでください。

8レーンとは
PCI Expressには、レーン数というものがあります。
このレーン数は高速道路で例えると車線数です。
車線数が増えるとその分、送れる情報量も増えます。
詳しくは、ここを読んでください

ジェネレーション3とは
この表記の仕方はBlackmagic独特の表記の仕方なのかもしれません。
PCI Expressは、世代が上がるごとに、性能も上がっています。
その表記の仕方は「PCIe1.1」「PCIe2.0」「PCIe3.0」「PCIe4.0」そして、最近「PCIe5.0」が出ました。
世代が上がるにつれて、速度は2倍ずつあがっています。
高速道路で例えると、制限速度です。
ちなみに、DeckLink Quad HDMI Recorderの「ジェネレーション3」の表記は「PCIe3.0」の意味だそうです。

これで、「PCI Express 8レーンジェネレーション3」の意味がわかりました。
「PCIe3.0×8レーンなので合計で40Gbps使います」って意味です。

余談ですが、マザーボードと拡張スロットに取り付けるパーツに世代違いがあった場合、下位互換で処理されるそうです。
(例、マザーボードがPCIe5.0、GPUがPCIe4.0の場合はPCIe4.0の速度になります。

GPUとキャプチャーボードを同時に搭載した場合の注意点
まず、結果から話すと、「DeckLink Quad HDMI Recorder」の性能を引き出せるマザーボードは限られているし、CPU 12900Kであっても、強めのGPUとDeckLink Quad HDMI Recorderの性能を両方出し切ることはできません。

CPUやマザーボードには、対応できるレーン数が決まっていて、例えば、ハイエンドCPU 12900Kの場合は、合計で20レーンまでです。
(調べる場合は CPU名+レーン で検索すると出てきます。)

DeckLink Quad HDMI Recorderの場合はPCIe3.0で8レーン使います。
この8レーンというのが、結構厄介です。
CPU 12900Kが使えるマザーボードのほとんどはGPUに16レーン使う固定設定になっていて、残りのPCIeスロットは4レーン設定になっています。

つまり、DeckLink Quad HDMI Recorderをつけてフルに動作させる場合は、ほとんどのマザーボードで、GPUを諦めて、16レーンのPCIeにDeckLink Quad HDMI Recorderをつける必要があります。

しかし、CGを多用したい私はGPU無しは考えられません。
そこで、見つけたのが、PCIe5.0×16レーンをPCIe5.0×8レーンの2つに分けて、使えるマザーボードです。
例えば、Z690 Taichi Razer Edition などです。
少し高いですが、これであればGPUと同時にDeckLink Quad HDMI Recorderに対応できます。

ちなみに、GPUはレーン数が減る事で、性能が出し切れなくなるのですが、
調べてみると、問題になるほどの大差は無さそうですし、
(GPUのレーン数の差について参考にしたHP https://chimolog.co/bto-gpu-pcie-8vs16/
もし、どうしてもGPUは16レーン使いたいとなると、DeckLink Quad HDMI RecorderとGPUで24レーン以上に対応したCPU「Xeon」になります。
Xeon、当社では扱いきれない代物なので諦めました。

最後になりましたが、imgee株式会社では「時空とココロをテクノロジアートで繋ぐ」をスローガンに様々な技術を取り入れています。この記事もその一環で書いたのですが、勉強しながら書いた事もあり、他にも良い方法があるかもしれません、もしもっと良い方法がありましたら、コメント等ご連絡いただければ幸いです。質問に関しても可能な限り対応させていただきます。
また、blackmagicdesignのサポートセンターの担当者の方、ご丁寧にご説明くださりありがとうございました。


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