見出し画像

第4回fuzzカップ観戦記ベスト128B

第4回fuzzカップ。初戦でいきなりA1リーガー2人が登場し、その2人がある意味順当に勝ち抜きました。
そして2戦目にもA1リーガー田内翼さんが登場です。

出場者
・田内翼さん
・田なべもえさん
・石川和男さん
・都美さん

個人的注目は石川和男さん。
#第4回fuzzカップ本選シード争奪戦投票で、615pを獲得して男性部門2位になってベスト128に出場です。

投票結果はこちらの中島よしつねさんのnoteが詳しいです。

こちらに書いてあるように石川さんはトップテン内で最年長。
「おじさんの星」
否が応でも注目です。

以下、本編。
以下、出場者は敬称略。


1回戦(石川-都美-田なべ-田内)
Mリーグ2022-23シーズンは、渋谷ABEMASの優勝で幕を下ろした。勝者は祝福と称賛の中、歓喜の美酒に酔い、今回敗者の立場となった者は、心中捲土重来を期す。
決着の夜から5日。fuzzカップベスト128B卓で、今夜も勝者と敗者が分かたれる。

オカあり半荘2回トーナメントは、1回戦トップを取ると圧倒的有利。
勝者の椅子に手をかけようと、序盤から積極的に仕掛けていく。

東1局。
石川がタブ東トイツのトイトイが見える配牌を手にしてイーシャンテンに至るが、アガリは田なべ。發をポンしてドラの赤⑤ピンを入れて3900を石川から。

東2局。
都美が序盤から白と⑨ピンをポン。さらにイーシャンテンから白を加槓。
石川がカン二萬リーチといき、都美がチーしてテンパイを入れるが、石川が500-1000をツモ。
石川は以下の牌姿から三萬切り(都美に⑨ピンポンが入っている)。
⑥ピンを引いてリーチで二萬をツモり、選択ズバリ。

東3局は石川が3巡目リーチで田なべから2000。
東4局はまたしても石川が6巡目リーチで1000-2000ツモ。
早いテンポで試合が進んでいく。

都美にこの日最大のチャンス手が入ったのは続く南1局。

高目六萬ツモハネマンのリーチ。待ちの三萬-六萬はなんとすべて山に生きていた。自身で1枚使っているので、山7である。

12巡目に六萬ツモ!
しかしツモったのは追いかけリーチの田なべだった。

700-1300。都美の勝負手は潰えた。

積極的な仕掛けや早い巡目からリーチがぶつかり合う展開が多いが、南2局を迎えた時点でトップの田なべでも29100点。ラスの都美が21300点で全員2万点台である。誰も一度も3万点に達しておらず、2万点を割っていないので、全員集合ではなくそもそも離れていない。

南2局に田なべが都美から2000をアガって初めて3万点を超える。都美は2万点を割り込んだ。しかしここまでの最高打点は東1局の3900。バイマン2発を含んだ高打点が乱れ飛んだ先週のA卓とは打って変わった展開となる。

大きなアガリが出たのが次局。
トップの田なべが自然な進行から赤5索入りチートイツをツモって3200オール。

オーラスに田内が4200オールをアガって田なべに迫るが、最後は田なべが2300-4300をアガって1回戦のトップを決める。

2回戦(石川-田なべ-都美-田内)
都美はトップを取って田内を3着以下に沈めたい。
石川はトップを取れば勝ち上がり。
田内はトップで勝ち上がり。並びによっては2着でも。
田なべはラスさえ引かなければほぼ通過。ラスの場合も並びによっては通過の可能性は充分にあり、石川-田内-都美の並びが最悪。

トップを取るしかない都美は東2局に石川の先制リーチに赤⑤ピン切りで追いかけ。石川から3200を打ち取る。

しかし東3局。田内のこの仕掛けに飛び込んで8000の支払い。苦しくなる。

東4局2本場からは石川のターン。
5巡目にドラ三萬を暗刻にして2200-4200をツモって親番を迎えると、リーチ不発でテンパイ連荘、500は600オールで2本場へ。

石川のトップを望まない田なべと田内が、鳴き三色と白ポンで親を流しにかかる。
捨て牌三段目に至って3枚目の⑦ピンが切られ、形テンを考えてもおかしくないところだが、これをスルー。
2巡後に3索を引いてリーチといくと、最後の⑦ピンを引きあがった。

対局後に「ターニングポイントだった」と自ら語った2200オールである。
この時点で田内を300点かわしてトップに立つ。

微差ながらこの時点の着順は以下の通りで、田なべにとって最悪の並びとなる。
1着 石川
2着 田内
3着 都美
4着 田なべ

いつの間にやら敗退ポジションだが、南1局4本場に2400-4400をあがって3着浮上。一息つく。

だが田なべの受難はここから。
南2局石川に3900を放銃。

南3局は白中トイツでマンズのホンイツが狙えるチャンス手となる。
トップ目の石川は1枚目の發を見送ったあと、ここからポンテンにも構えられる四萬切りではなく5索切り。

5索切り

ドラを暗刻にした上家の田内が7索を捨てると、チーして發切り。
次巡絶好の七萬を引くと、直後に田なべが④ピンをツモ切った。

タンヤオ三色赤赤

田なべは一気に苦しくなる。
オーラスを迎え通過ポジションは石川と田内。
田なべの条件は都美との差9300を詰めて3着浮上か、ラスのままで田内と19500以内とするために田内と11900差を詰めるか、である。

田なべは白と發のトイツを活かしてトイトイまたはホンイツに向かうが、石川・田内から甘い牌が切られることはなく、流局で決着となった。

こうして勝者と敗者は分かたれた。
都美は1回戦でラスを引き、2回戦は苦しいところから果敢にリーチをかけたが、ことごとく不発となった。
田なべは1回戦のトップを活かせず、最悪の並びを作られて悔しい敗退となった。
石川は思い切った攻めと繊細な守備のメリハリの利いた麻雀で勝ち上がりを決めた。

もう1人の勝ち上がりとなった田内はA1リーガーで本命中の本命。対局前のインタビューでは「今日はピンクイオンどれだけ飲めるか選手権。目標2半荘で5本呑み干してみんなをビビらそうと思います」と1人別競技宣言?

2回戦のうち1戦トップがほぼ必須というルールのため、序盤から他3人が激しく仕掛ける中、余裕の ケンか、別競技ではないが1人別ルートを行く。

アガリは1回戦はオーラスの4000は4200オール1回。
2回戦は東場の8000と7700の2回だけ。
そして鉄壁の守備が光った。

2回戦東1局1本場

都美のリーチを受けて一発目。
三色は崩れたが赤五萬を引いてテンパイとなったが、中切りで迂回。
八萬が通ったあとに2-5索でテンパイし直し、今度はリーチにいって7700を田なべから打ち取るバランス感。

南1局3本場。連荘中の石川が仕掛けて早々に⑤⑥ピンのシャンポンでテンパっている。
田内はここからピンズに手をかけずに7索8索を外し、②ピンチーして形テンを取り、役なしアガリ牌の⑤ピンをチーして安全にテンパイを維持する。

次局4本場はメンホン・トイトイでツモり四暗刻のイーシャンテン。
田内の目から①ピン、②ピン、④ピンは、②ピンがドラ表示牌に1枚見えているだけ。実際には①は石川と田なべが1枚ずつ持っていたが、他は山に残っていた。

田なべがラスに落ちて田内自身は通過ポジションにいるとはいえ、石川にトップを逆転されており、できれば再逆転しておきたいところ。
ここに都美からのリーチを受け、3索を引くと(東は生牌)、あっさり發で降りた。
都美はアガってくれてよく、ピンズの場況も悪い。四暗刻であろうとイーシャンテンからぶつかるのは見合わない、ということだろう。

田内は結局2回戦で放銃ゼロ。
隙のない立ち回りを見せ、レアなトップなしでの勝ち上がりを決めた。

fuzzカップ2戦を終え、登場したA1リーガー3人が全員勝ち上がり。
そしてここまで勝者はすべて男性で、敗者はすべて女性である。
ここから先、下剋上は起きるか。女流プロの巻き返しが見られるか。
注目である。


この128B卓の観戦記を尊敬する中島よしつねさんも書いていますので、ぜひ読んでみてください。
ぎゅっと凝縮されてます。

最後に。
fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様。
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。
いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?