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2024年 財布問題についての手記

数年ぶりに新しい財布を購入したのでその話をしたいと思う。

突然だが、俺は愛妻家だ。

愛妻家についてWikipedia にはこのように記載がある。

愛妻家とは、妻を愛していることを外部でも憚ること無く公表するような既婚男性のことであり

wikipediaより引用

つまりここで憚る事無く公表する事で愛妻家(自称)になったという事だ。

そんな俺だが妻に対して一つ看過できない点がある。
それは、あげたプレゼントをあまり使ってくれない事である。

おこがましいとは思いつつもこのプレゼントをたくさん使って欲しいな、と思うのがプレゼントを渡す側の心理である。事前のリサーチはもちろんだが、使っているシーンを入念にイメージして、有象無象の中からもっとも費用対効果の良いものを選び抜く。それがプレゼント選びという営みのはずだ。

故に、渡した後のプレゼントの利用状況をチェックする事に余念がない。そこで想定していた満足を提供できていれば無事ニッコリである。

以前俺が贈ったのは、とあるブランドの財布だった。当時社会人なりたてにしてはかなり奮発して購入したのを覚えている。

しかし、気付けば妻は外出時には違う財布を持ち出しているのだ。俺としては穏やかでは無い。そこで妻にそれとなく聞いてみた。
すると本人曰く、「もったいないから普段使いはしたくない。」との事だった。なんだか上手く言い包められているような気がしつつも、とりあえず納得しあまり深く考えないようにしていた。

しかし、最近になってこの妻のムーブに少し共感できるようになったのだ。今回はそれについて書きたい。

俺はもう何年も前に妻からプレゼントされた革財布を使っている。

GLENROYALという英国ブランド。焦茶に金のマネークリップがアクセントになっている。

これはかなり気に入っていて、俺の好みを完全に捉えた最高の財布と言っても良い。年に3回くらいはレザー用オイルを塗って手入れしているし、いい感じにエイジングもしてきていて、多分もう6年くらい使っているがまだまだ現役バリバリである。もし減価償却するとしたら、耐用年数はもう過ぎていて使えば使うほどお得になる代物だ。

時にはリュックに放り込んだり、時にはズボンのケツポケットに突っ込んだりして、革製品なんだから使い込んでなんぼじゃいと、特に丁寧に扱うような事はしてこなかった。

悲しい時も嬉しい時もいつも一緒。もはや身体の一部。自他の境界が曖昧になっている。

そうやって使い込むうちにどんどん愛着が湧いてきた。そしてその結果こう思うようになった。
「もったいないから普段使いはしたくない。」と。
急にこの財布を雑に扱う事ができなくなった。少しでも汚れる可能性のある日は持ち出したくないし、雨が降る日もあんまり気が進まない。でも俺には代替となる財布など持ち合わせていなかったのである。人生で初めてその必要を自覚した。

そこで初めてセカンド財布を購入したのでそれを紹介したい。

meanswhileというブランドの「DYNEEMA® MINIMAL WALLET」である。
DYNEEMA(ダイニーマ)というのは高分子量ポリエチレンという繊維の商品名で、DCFだとかキューベン・ファイバーなどと呼ばれる事が多い。
アウトドアに目ざとい人ならご存知かもしれないが、最近流行っているUL(ウルトラライト)系のギアによく用いられている物である。文字通りとにかく軽量で、かつ耐久性に優れさらに水も通さないという、アウトドアに持ってこいの素材なのだ。

ちなみに俺はg単位での軽量化を求められる事など無いULとは無縁の人間だが、UL系のギアのカッコ良さが好きで情報収集をしている。男の子だからだ。

開くとこんな感じ。

この財布を見つける過程で「DCF 財布」「キューベン・ファイバー 財布」などでインターネットの隅々を調べまくったのだが、意外と自作して販売しているものが散見された。ある程度の縫製技術と生地さえあれば作れるのかもしれない。それらの中にはデザインもよく値段も手頃なものもあったが軒並み売り切れていた。それだけ界隈では注目のある素材なのだ。

そしてそれらを経てたどり着いたのがこの財布というわけだ。

紙幣のフィット感
公式サイトによるとカードの収納数は最高5枚
小銭入れはバネ口仕様。

この財布の可愛いところはなんといってもこの小銭入れの仕様だろう。
調べた限りDCFとバネ口の組み合わせはほとんど無く、この機構が購入の決め手になったといっても過言では無い。
本来のULのコンセプトに照らし合わせると、「なぜわざわざ重くなる機構を採用しているんだい?」というクリスティアーノ・ロナウドみたいなツッコミが出てくるが、こればかりは何を優先するかという思想の問題になってくるのでナンセンスだろう。

子供のなりたい職業第一位:クリスティアーノ・ロナウド

そういうわけで、この財布を使い始めてもう2ヶ月くらいが経つが特に不満な点は見当たらない。それどころか想像を超える軽さとコンパクトさに満足しかない。中には「レジャーシートの素材じゃん笑」などと言ってくる友人もいるが、その度に「なぜ笑うんだい?」と返せば良いだけだ。

スケスケえちえち財布と呼んでいるのは内緒である。


以上が、俺が2個目の財布を買った経緯だ。

もし、あげたプレゼントをあまり使ってくれない、という事でお悩みの方がいれば単に大切なものを長く使いたい気持ちの表れである可能性もあるので注意深く見守って頂ければと思う。

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