アメリカに来て2年経過し現地雇用になった。これまでを振り返って。

こんにちは、いまいです。
2020年11月にボストンに来てから早2年が経過しました。

日本学術振興会による2年間の支援も満了したため、日本に一時帰国をし、待ちに待った結婚式を開催し、ハワイへの新婚旅行にいく、など休暇をさんざん満喫しました。
ハワイはあったかいし海きれいだしご飯美味しいしで、まさに楽園でしたね。

夢のような日はいつまでも続くわけでもなく、アメリカに戻る日(現実)が近くなるにつれ、『.…さて、僕の今後どうなるのか??』っと思っていましたが、

2年間いたラボのボッスから現地雇用していただく運びになりました。

この2年間、ボッスやジュニアPIやラボメンから言われたことや依頼などをすべて『Yes!』『I'm interested!』『I want to do!』『It's my pleasure!』と言っていた甲斐がありました。
全て引き受けると必然的に実験量が増えるので、いろんな実験技術や知識や人脈を得られた気がします。暇だったし。

さて、肝心の雇用条件ですが、海外学振と同程度くらいのようです。2020年9月時点での海外学振 は年間627万円で$596,00で、DS-2019位記載されていたのがそのくらいの額なのでほぼ同額でしたね。
*2022年12月の現在では、円安が進んだので年間$46,100程度となってます。(円安マジやばくね?105円→135円とかマジやばくね?)

給料に関しては事前にボスから伝えられており、『もしお前がここに残るなら、今お前がもらっているfellowshipくらいの額は出せるよ』とのことでした。NIHのポスドクの給料の最低額が以下の通りになっており、僕は3年目に該当するため、まぁこんなもんかという感じです。

Years of ExperienceStipend for FY 2022
0年目 $54,840、1年目 $55,224、2年目 $55,632、3年目 $57,852、4年目$59,784、5年目 $61,992、6年目 $64,2967 or More$66,600

こうして現地雇用になったわけですが、以下の懸念も浮かんできました。
① 給料に税金がかかる。よって実際には給料は海外学振と同程度ではない。
② ボッスに雇用されるため、もしかすると実験の自由度が減る?
③ ボッスに雇用されるため、今までより実験結果や研究への評価、並びに英語でのコミュニケーション能力の基準が厳しくなる?

まぁ、ボッスもラボメンも、周りの環境もいいのでなるようになれの気持ちでいます。人事を尽くすのみ。

研究に関しては、この2年間でいろなことに手を出しました。

・海外学振での持ち込みテーマ
→留学のために考えた研究。予想に反してNegative dataが続き、『こいつはもう死に馬(dead hourse)だよ、あきらめろよ』っと言われてもあきらめなかった結果、2年間オールNegativeで終わった研究。論文としてはまとめた。投稿準備中。
・企業依頼×2
→違うモデルで違う薬をそれぞれ検討して『まぁなんかあるかも?』って感じで、論文もかけるとのこと。てか書いてる。
・脳梗塞の多施設共同の前臨床試験 (SPAN)
→脳梗塞の病態モデルや実験プロトコールをもっと厳密にして、これまで臨床試験に失敗が続いていた脳保護薬を今一度見つける挑戦。2年間でSPAN 1.0の全工程が完了し、論文も共著で2報アクセプト。随時増えていく予定であり、集めたデータやサンプルは利用可能なので、何からテーマ提案しようと思っています。近々、SPAN 2.0も実施予定とのこと
・ジュニアPIとの共同研究
→臨床試験まで計画したリバーストランスレーショナル研究。いつの間にかメンバーに組み入れられてたけど、やり甲斐はとても感じている。いいデータ出せて、論文でも使われるとのこと。
・学部からやりたかった病態モデルの研究
→作製費用の問題からできなかった研究。病態モデルの立ち上げはいい感じにできて『リスキーだけど前人未踏の景色が見えるかも』とのことで頑張りたい
・その他ちょこちょことした共同研究
→いろんな人からの『ちょっとこれどう思う?』に顔出した結果、ちょこちょこと携わるプロジェクトがいくつか

まぁいろいろやってても結局『自分固有のテーマ』『二番煎じでなく自分にしかできないもの』を見つけなければいけないので、3年目からは独立(するかどうかは置いておいて 笑)を意識して実験・アウトリーチ・人脈つくりなどに取り組んでいきたいと思います。
結局、頑張っててても、プロダクトがなかったら何もやっていないのと同義ですしね (笑)

最後に、ヨッメとも合流して二人で生活してるんですが、生活費の心配がある感じです。
安全や利便性を考えてBoston市に住んでるのですが、さすが物価が高い土地。なかなか生活費が、ガガガガガ、gagagaga.…orz

家賃 $2300
電気代 $40~50
インターネット $60
携帯 6GBで$25、12GBで$35
食費 外食なしの自炊で$400~500、外食したら.…

てな感じで、油断するとすぐ大変なことになりそうです。
節約しつつ楽しい生活をしていい思い出にしたいものです。

終わりになりますが、現地雇用で自分がどこまで通用するのかを試してみたいところです。
おそらく、公募や何かしらのお誘いがない限りは、少なくともJビザが切れる2025年まではアメリカで頑張るつもりです。

ポジションへのお誘いとか共同実験とかセミナーのお誘いとか、なんでも待ってます!(笑) 

さて、今年も終わりますが2023年はいい年だといいですね。
以上です。
(^▽^)ノシ


追加
上原記念生命科学財団のポスドクのfellowshipおちたっちゃ!!
\(^o^)/オワタ

研究生活の糧にさせていただきます。