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自動書記無職日記:20240207

青梅街道に面した窓ガラスの中では、絶えず車と人々が行き交っている。
今年に入ってもうひと月以上が経ったが、朝にカフェに来るのは今日が初めてだ。
これまで泥は泥なりにゆっくりとうねりなんとか沈殿せずにいた無職生活がいよいよマンネリの名の下に固まっていき、昼夜逆転となっていた。この時間はいつもならちょうど布団に入って眠りにつく頃だ。朝の時間帯に朝食をとること自体が久しぶりだった。
昨夜も一度2時過ぎに布団に入ってみたが一向に眠れず、GEOから宅配されていたレンタルDVDのうち「TAKESHIS'」を再生して結局全部観てしまい(確か観るのはこれで3回目だ)、いよいよ眠るためにYouTubeで村上ロックの喋る怪談を流したがこれまた眠れそうもないので、チェンソーマンの漫画をジャンプ+アプリの無料で読める回から読み直したら止まらずに最終盤まで行ってしまったがいいところでiPadの充電が切れて、しょうがないのでいっそのこと起きられるところまで起きて悪い方に固まった生活リズムをなんとか崩そうと考えた次第だ。

気晴らしも兼ねて久々の朝の外食。候補は朝マック、松屋の朝定食、コメダのモーニングなどあったが今の自分が一番求めていた空気感はヴェローチェだった。
しかもサンドイッチでも平らげたあとは優雅に読書なんかできるといい。
何せ本もだいぶ読んでいない。最近はとにかくMacかiPadでYouTubeなどを見てばかり。デジタルに汚染されている。それらばかり見ている生活はなぜだか人にも胸を張って言いづらい。ということでやってきたヴェローチェで、モーニングBセットのカイザーサンドを食べてから村上春樹の短編小説集「カンガルー日和」の文庫本を開いたまではよかったのだが、結局iPadを開いてこうして文章を書いている。
仕事をしていないということは毎日大量に打っていたメールも打たなくなるわけで、キーボードを使って文章を書くリハビリのようなものなのだろうか。

文章と言いつつも日記になる。元々小説みたいに創作を書くことはこれまでもなかったから至極当然だ。9時を迎える。相変わらず窓の前を人や車が行き交い、時々誰かが入ってくる。この文章は指に任せた取るに足らない自動書記だが、社会とのつながりをほぼ持っていない今の自分にとってはただの日記でも人の目に触れる可能性のあるところに出すことがわずかなりとも意味があることと思いたい。

家では洗濯機が回っている。コーヒーとは別に自分で組んだ小さな紙コップの水は全く飲んでいない。昨日新橋で寄った喫茶フジとはヴェローチェの雰囲気は全く違う。あちらは地下だし街柄も違うから当然だ。銭湯の壁より立派な富士山が拝めた。

苦し紛れのモーニングで、悪い方向に凝り固まった今の生活が少しでも転がり出すことを祈る。今日は何時まで起きていられるんだろう?明日は何時に起きられるんだろう。

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