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米川さんproofreading(校正中)

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八ヶ岳山小屋黒百合ヒュッテ山番時代を米川正利さんが描いた絵を形にできればいいねマガジン。黒百合ヒュッテhttp://www.kuroyurihyutte.com/   問い合わせ…
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#黒百合ヒュッテ

95.秘密の花園(米川さんの絵本)

山小屋に長く入っていると、時々誰もいない所に行きたい時もある。 そんな時、いつも行く場所を決めている。 おにぎり持って、2人だけ、誰も誰も知らない秘密の場所。 お花が咲いていて、ぽかぽか天気で気持ちもぽかぽかになります。 解説米川です。 八ヶ岳は可愛らしい花をはじめとした高山植物が四季折々咲いています。 山小屋での仕事の合間に、山を歩くと夢のような美しい景色に幾度となく出会います。小屋番をしていた頃も、小屋番を息子に譲った後も、啓子さんと一緒によく行きました。 おにぎり持っ

92.黒百合平 森に囲まれた草原(米川さんの絵本)

小さな小川に鹿も、タヌキも、リスも水飲みに。 高山植物もいっぱい。 茅野から佐久に抜ける峠道。 登りきると平が開ける。 シラビソの森に囲まれた草原がある。 小川が流れていて、 クロユリや沢山の高山植物が 群落するお花畑。 解説米川です。父が生前、林業をしている時にとてもよい所を見つけたと教えてくれました。 お花畑いっぱいのたいらなところ。そこに別荘をつくって、家族で遊びに行こうと話していました。 父が急死し、別荘などという優雅な話どころではなくなった我が家ですが、母は父のお

91.黒百合ヒュッテの神様(米川さんの絵本)

木魂神社、もっこんじんじゃと読みます 山の自然を守る神様 登山者の安全を守る神様 黒百合ヒュッテの商売繁盛、家内安全の神様 解説米川です。1981年渋の湯から黒百合平に登る途中に皆から親しまれた巨木がありましたが、老化して倒れてしまいました。 樹齢800年と言われていました。 この巨木の倒れたのを契機に、八ヶ岳の自然保護を願い、大自然の恵みに感謝して、木の魂を祀り木魂神社と名付け木魂祭として祝っています。 Saitouです。諏訪の平は数えで7年に一度、御柱(おんばしら)と

90.宴会(米川さんの絵本)

小屋では宴会が付き物だった。 お客さんがいる時は毎日だ。 お客さんに叱られない様に。 解説米川です。 小屋をはじめた頃は人がいない日がたくさん続いて。そのうち山小屋に泊りにお客さんがくるようになって。 小屋番と客という関係ではなくて、腹を割って話しながら大皿のものを皆で夜が更けるまで食べて飲んで話していました。 楽しかった。たくさんの人と知り合えて、いろいろな話を聞けて、山小屋はよいですね。とても楽しかったです。 Saitouです。 82.つらら のお話にもあるように、飲

88.愛犬ころ(米川さんの絵本)

可愛い奴だ。 いつも一緒。 長い間有難う。 解説米川正利です。 長い間山小屋で家族として一緒に生活をしていた犬はコロと言う純粋な日本犬だった。姉が友達からもらった犬で姉が大変可愛がっていた。 ある日姉が山小屋にコロを連れて行った時、母が山小屋では1人では寂しいだろうとコロを山小屋に置いてきたのが山小屋に入るきっかけだった。その日から母に懐いてしまい、山小屋で人気者になってしまった。 母が亡くなり、私の代になっても私について来てくれ、話し相手になってくれた。 Saitouで

87.畑仕事(米川さんの絵本)

辛いから止めようか。 まだまだこれからさ。 始めたばかりだよ。 解説米川正利です。 小学校の頃から母親の手伝いで山の空き地を開墾して畑を作っていました。細々とやっていた。母親が山小屋を経営する様になってからやめました。 その後結婚してから茅野の自宅で家内が始めましたがそれでも細々でした。本格的に農業をするようになったのは、1980年頃からで。無農薬野菜を作り出してからで。 色々な人に教えて頂き、自分達も勉強しました。最近では自慢するような野菜が取れるようなりました。 Sai

86.歩荷

ボッカ。 山小屋にはボッカは付き物。 米の60kgは軽い、軽い。 解説米川正利です。 歩荷とは荷物を運び歩く人。山小屋などで荷物を運ぶ人を言います。 ヘリコプターで荷物を運ぶ前は全部歩荷でした。 山小屋を建てるのも歩荷ででした。60kg荷物を背負って登山口から一日4回もやりました。毎日です。 一番背負ったときは110kgありました。 山小屋を経営する物は歩荷は当たり前でした。歩荷はとてもつらい仕事でした。 Saitouです。 Saitouはお買い物に行きお米10キロ袋持って

85.急がなくては日が暮れる

渋の湯から黒百合へおんぶに手を引いて。 小屋が忙しいから子供連れてお手伝い。 早くしないと夕食に間に合わない。 解説米川正利です。 山小屋の仕事をしていましたので、子供たちが生まれ大きくなるまでは、啓子さん(奥様)はひとりで子供たちを育ててくれました。家は茅野市の駅の近くにあります。 山小屋の人手が足りなかった時や届け物がある時などは、啓子さんが子供たちを連れて山小屋までのぼってきてくれました。 啓子さんが話してくれた事がとても印象に残り、そして苦労かけたなあと思っています

84.ケルン

この道で大丈夫だ。 道しるベがある。 大丈夫。 解説 米川正利です。 ケルンとは山頂や登山道、分岐点、徒歩点などを表すために表すために小石を円錐型に積んだものです。一般に道標として使われています。 SAITOUです。 ケルンとかケアンとか言われます。ウィキペディアにはケアンで詳しく掲載されています。 英語版ウィキペディアにはcairnの語源が掲載されています。わかりやすい説明です。 乱暴な訳になりますが、1はイギリスの島の先住民によってつくられた墓碑としての丸や円錐形

83.雪洞

大雪が降った。雪のほらあな、雪洞作ろう。 入口塞ぐと雪洞は温かい。 中で騒いでも外に声が漏れないよ。 大きな声で騒ごう 解説米川正利です。 雪が降ると雪洞をつくり、みんなで小屋から雪洞にはいりました。 子供のようなワクワクした感じがいつもありました。 酒を持ってツララをマドラーにして。 大人達が大騒ぎしても誰も外にはいない冬の日。 暖かくて楽しかったです。 Saitouです。 私は米川さんからこの絵を見せていただくまで、雪洞という名前は知りませんでした。 雪洞は、「せつどう

82.つらら

屋根に雪がつもり 日がさして、屋根の雪が解けはじめると 軒下にたくさんのつららが垂れ下がる。 長いの、短いの、太いの、細いの、 いろいろだ。 解説米川正利です。 葉っぱ落ちた枝の先や、針葉樹の葉先、いろいろな場所につららはできます。 食べるといろんな味がします。 このつらら取って来てコップに入れてジュースを入れても良い。 ウイスキーを入れるとオンザロックでまた美味しい。 Saitoiです。 つららのお話は、アルコールのお話がどうしてもでてくる米川さんご夫妻。とても懐かしく

78.大水

寒い、寒い。 冷たい。大水だ。 朝の4時だ。大変だ、大変だ。 解説米川です。 八ヶ岳は11月から雪が積もる。そして黒百合平は4月の中旬になると雪解けが始まる。 天狗岳からも中山からも小屋の周りも、雪が解け始めるとその雪どけ水は殆んど黒百合平の小屋の周りに集まってくる。 小屋の下の谷に水切りの溝を作らないと、小屋は床上浸水してしまう。 大雨で大騒ぎとなったのはそんな4月中旬の出来事。 昨日の夕方から雨が降り出していたが、夕方だったので水切りの溝を明日の朝に仕様と思っていた。

75.アニマルトレック

雪の積もった森を歩こう。 動物の足跡を探してついていこう。 どこまでも。 ひょっとしたらその動物に会えるかも。 うさぎ、きつね、たぬき、大きなシカに会えるかも。 解説米川です。 アニマルトレックとは地面や雪面に残された足跡などから野生動物の種類や行動などを探る事。 猟師が獲物を採るためや、動物学者が生態調査をする時とても重要になります。 Saitouです。 冬の朝、雪原にさまざまな跡が残っているのを見ます。両足揃って続いたり、線状にどこまでも遠く続く筋であったり。動物が確か

73と74 天然シャワーと雷

73.天然シャワー雨。もっと降れ。 もっと降れ。 止むなよ。 体を洗い終わるまで。 解説 米川です。 山の水は貴重です。節約して大切に使おう。いつもそう思っています。 山小屋の水は天水(雨水)か、沢の水を汲みあげるか井戸の水です。 八ヶ岳の稜線は岩盤が多い為、沸いて居る水は少ないです。 山小屋で働いている者は登山口の温泉に入りに行くか小屋の風呂に入るしかありません。 小屋では水を節約しているので、夏の雷雨は天然のシャワーになります。 雨が降って居る間に体を洗い終われば良い