なぜかNPOで多い『誰かに詰められている時』のかわしかた

上司や同僚、webのイベントや、Facebook、Twitterでの投稿へのコメント、様々な場所で、緊張感を伴うコミュニケーションがいきなり始まることがあります。こうした、『詰められている』時の対応をあやまると、相手に一方的に攻め込まれて、意識がぼーっとしてきて、自分が悪いんだ、自分のせいだと思って相手を肯定する発言をしてなんとかその場を終わらせようとしたり、言語化できず言葉尻をとられて必要以上におとしめられたりします。NPOで働いていると、意志が強い方や、運動家気質が強い方が多いからか、詰められている状態になることが多い気がするので、NPOで働いている方は特に事前に備えておいたほうがいいです。

相手に向き合う時の心がまえ

まず相手に向き合う時の心がまえとして『引き分けで終わらせる』ということ。勝たない、負けない、引き分けを目指す。勝つと恨みをかってしまい、なんだかんだつきまとわれます。負けると、必要以上にこきおろされてバカ扱いされる可能性があります。引き分けるとよくわからないので、相手も扱いに困ります。いきなりコミュニケーションでストリートファイトをしかけてくる相手は、ある意味こわい人、サイコパスの可能性もあるので、引き分けることに全力を尽くしましょう。

自分の人権が守られているか

まず最初に、コミュニケーションの根底に、自分の人権が守られているかを確認しましょう。人格の中傷があるとか、いじめに感じる、こうしたことがあるコミュニケーションからは、去りましょう。相手は、あなたを嫌な気持ちにさせる、もしくは被害を与えることが目的なので、それが達成されるまでなんくせつけてきます。なので、wifiやPCの具合が悪いとか、お腹痛いでもなんでもいいので、距離を置きましょう。

得るものがあるからとか、今は頑張りどきだからなど、人権無視な職場でも頑張りますという人がいますが、遅かれ早かれ健康やメンタルを病んでしまいます。また、例え生き残ったとしても、人権無視の昭和の価値観が染みついてしまい、周りの人が努力をしない愚か者に見えてしまうことで、無意識に自分がハラスメントの加害者になってしまいます。このように、どちらにせよハッピーになりませんから、そういう人権無視の職場は速やかに転職しましょう。

相手の意図をはかる

緊張感のあるコミュニケーションをする理由が相手には必ずあります。それを相手とのやり取りのなかではかっていきましょう。ここでは私が出会った5つのパターンを例えで挙げます。

1.『なぜ?』の禅問答型

上司やレビューワーとの関係性でおこりがちです。『え?なんでそうしたの?』『ん?何言ってるかよくわかんないんだけど?』などが枕ことばで始まることが多いです。この後は、なんのため?なぜ?理由は?根拠は?〇〇さんには確認した?それはあなたの意見なの、事実なの?などなど、矢継ぎ早に質問が繰り出されていくので、受ける方は緊張します。

これは、相手が想定している段取りを自分がきちんと踏んでいるのかの確認のことが多いので、それを先んじて伝えるようにしましょう。また『なぜ?』『どうして?』は発する人を強くする言葉なので、そうした疑問文を先んじてこちらから答えてしまうのが大切です。目的・目標・仮説・検証結果・考察・リカバリープランなど、一気に言ってしまう。

そうした基本を抑えつつ、相手の根底にある前提を探っていき、もしそれが現実と異なっていたり、古臭いものだったりしたら、現実はその前提ではないことを伝えていくと、禅問答の前提がくずれますから、引き分けにすることができます。

2.『こうすべきである!』意見押し付け型

FacebookやTwitterなど投稿に対してのコメントでくる場合があります。これは自分の主張として挙げことに対してのコメントなのでありがたい反面、扱いを間違えると自分自身が嫌な感じになり、投稿するモチベーションが落ちてしまうので、要注意です。

これは相手のポジションから見て、自分が違う意見を言ったことに対するご意見で、『なんかモヤっとします』とか『なんか違うと思う』などから始まることが多いです。

対応としては、相手のポジションはどこかを見定めて、そこと、自分のポジションの違いを明らかにしつつ、自分が向き合っている事実を元に、なぜそう思ったのかをお話していくと、『あなたが向き合った事象から、その考えに至るのはしかたないと思う』的なコメントが出てきます。これが出てきたら、『そうなんですよ!ご理解くださってありがとうございます』とお伝えすれば引き分けにすることができます。

ものごとを見るポジションが異なれば、そこから導かれるものも変わります。ポジションが違う人同士がいくら話しても決着はつきませんから、『そういう考え方があるんだな!』と感じれたら、引き分けにして終わらせるのがいいです。

3.『自分の実績を認めてほしい』承認欲求系

これはwebイベントの質問タイムで起こりがちです。質問者の前置きが長く、その実績をもとに得た質問者の知見と自分が話した内容が異なる場合に起こりがちです。

これは『私は〇〇というもので、10年間活動してして、こんな成果を出すことができて、有名な△△さんとはいわば戦友でね・・・その実績からすると××の視点が欠けていると思うのですが、いかがお考えですか?』みたいな感じでくることが多いです。

このパターンは、話が長いのでメモをきちんと取っておくことと、お話の中で成し遂げた功績があるので、そこをリスペクトしつつ、『お話しした論点は〇〇でして、そういう意味で、△△と意見させて頂いたわけです』と伝えると、回答の中で自分がリスペクトされているので深く追求されず『あぁ、そういう論点でしたか』と終わりがちです。

4.『それって無くてもよくないですか?』無邪気な二項対立系

『NPOはお金がないない言ってますけど、莫大な資金力がある大きな団体もありますよね?もう全部その大きな団体にやってもらったらいいじゃないですか?なんでそんなことやってるんです?』と存在意義を否定してくる皮肉な質問者もたまにいます。

経験のない若い人のケースもありますし、ご自身の経験した中でそう言っている方もいます。存在意義をはなから否定しているので、結構腹が立ちますが、相手はそこを見ているので丁寧に対応する必要があります。『今、地域で活動されている方を全否定しているご意見のように捉えましたが、どうしてそう思われたのですか?』とか、『現実的にそうなっていないのはなんでだと思います?』とかこちらから『なぜ?どうして?』を発していきます。

無邪気な二項対立の質問者は悪意がありますので、『コイツめんどくさ』と思わせる『くそ真面目さ』が引き分けのポイントになります。

5.相手の変な正義感に火をつけない

変な正義感を持ってコミュニケーションをしてくる人もいます。『NPOって弱いものから金を巻き上げる悪い奴らですよね?』と言われたことがあるのですが、その時は驚きつつ、さらにお話聞くと確かに、その方は実際に被害をうけた方だったりします。

主語が大きくて、それっぽいことを大きな声で言う人がいます。その方の実経験ではそう言えますが、世の中全部そうだと思われては困ります。

『あなたのNPO観はそうかもしれないですが、私のNPO観はこうです』とお話したうえで、『そういういい活動されている団体さんとこれから出会えるといいですね。』とお伝えします。論点をNPOは良い/悪いではなく、その方がいい活動をしているNPOに出会っていないだけに変えていきます。

さいごに

自分がしたことや発言したことに対して、反論されたり、指摘されると嫌な気持ちになりますよね。1番よくないのは、自分の保身や未熟さがバレないようにという意識が前面に出てしまい逆ギレすることです。なので、緊張感があるコミュニケーションになってるなーと感じた時は、是非このnoteの記事を思い出してください。

私はNPOの伴走支援をしています。このnoteの記事を読んで関心をもったり、無料相談をしてもらいたいと思われた方は、ホームページからお問い合わせください。

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