誰かのビジョン実現を応援しているけど、自分にはビジョンがなくて焦っている人へ。

NPO関連で活動していると、実現したいビジョンや、成し遂げたいミッション、新規事業を立ち上げたい人に多く出会います。自分の中の代表性に気付き主体的に活動している姿は、とてもエネルギッシュで、多くの人の心に響き、応援したくなります。

そうした人の周りには、たくさんのフォロワーがいて一緒にビジョン実現を目指してくれます。

フォロワーの中にもいろんなタイプがいて、いつかは同じような活動をしたいと思う「将来の代表候補」であったり、同じ困りごとを抱えている人を救いたい「当事者」もいます。そして、社会問題の解決といったレアな経験が積めてそこから成長できると考える「独自な領域の自己研鑽を積みたい人」や、どうしても明確なビジョンが持てなくてそこにコンプレックスをもっている「明確なビジョンがない自分にコンプレックスを持っている系」もいます。

「将来の代表候補」や「当事者」は、代表や経営層に近い考え方で、組織のビジョン・ミッションを達成すればするほどハッピーになります。組織が成長してくると、運営を効率的にしたり、役割分担をすることが必要になってくるのですが、このあたりから「自己研鑽系」や「ビジョンがない自分にコンプレックス系」が入ってきます。これらの人は組織のビジョン・ミッションを達成すると嬉しいですが、自己研鑽ができなかったり、コンプレックスを癒すことができなければ満足しません。

こう書くと、「自己研鑽系」や「ビジョンがない自分にコンプレックス系」は自己中心的でかまってちゃんでうざいみたいな印象になってしまいますが、ビジョン実現のラストワンマイルを埋める原動力になるのはこうした人たちです。

経験から最大限学ぶ能力があるので成長著しいですし、コンプレックスを埋めるために器用にいろんなことをこなすことができる人が多く、人数が少ない中で最大限の成果を出すために、こうした人材は欠かせません。

そして、自己研鑽系やビジョンがない自分にコンプレックス系のもう一つの能力が「嗅覚」です。この組織に関わっているといい経験ができそうだ、皆からすごいと思われそうだといった、成長・躍進の嗅覚が優れています。こうした人たちが集まってこない、もしくは辞めていくのは、その組織が泥船に見えるからです。

NPOは、困りごとを抱えている人たちを支援したい利他的な活動からはじまることがが多いですが、活動の輪を拡げたり社会的インパクトを拡大していくには、社会の大多数を占める自己中心的な人たちに共感してもらう必要があります。そこを埋めることができるのがこの2つの系の人たちなのです。

最近、綾野剛と星野源が出演している刑事ドラマをよく見ています。野生派で直感で突っ走る綾野剛と、理性派で知的に進める星野源がぶつかり合いながら組むことで現代の様々な犯罪に向き合っていきます。

社会問題に向き合っているNPOでも、ビジョン・ミッションが明確に見えている人たちと、効率的に進めることができる人たちが、まじりあいや出会いと別れを楽しみながらやっていくのがいいのかなと思います。

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