人の「強み」に光をあてすぎると、「弱み」の影が濃くなる

個人事業主をしていると、お仕事のはじまりから最後まで全て自分でやらなければいけません。私が毎日頭に思い浮かべているのはこんなことです。

・これからどんなことに社会的な関心が高まっていくのだろうか?
・伴走支援を必要とする団体さんとの出会いの機会をどう持てばいいのか?
・NPOが求める支援サービスは何だろうか?
・支援を提供するために自分のスキルは足りているだろうか?
・足りないスキルはどうしたら得ることができるだろうか?
・支援を求める団体さんにどんな情報をどのように伝えればいいのか?
・報酬に対して仕事にかける時間は適切だろうか?
・団体さんや個人とのコミュニケーションはできているだろうか?
・価値ある支援を団体さんに提供できているだろうか?
・お仕事で無償と有償の線引きはどうしたらいいのか?
・お仕事の提示価格は何の作業に対していくらが適切だろうか?
・収益が確保できるようになっているだろうか?
・お仕事の契約はどのようにしたらいいのか?
・お仕事の請求書・領収書はどのように管理したらいいのか?
・確定申告はどのようにしたらいいのか?
・今やっていることを継続してやるべきだろうか?
・自分のやりたいことをできているだろうか?
・仕事で変な我慢をしていないだろうか?
・仕事を通じて自分が高められているだろうか?

お仕事の規模がそれほど大きくないので、ひとりでカバーできますが、NPO法人など組織だって規模が大きな活動をするとなると、これらを代表理事、理事、事務局長、事業部、総務、人事、会計など分担して考えて、実施していくことになります。

「分担する=自分の担当以外のことは人に任せる」ことで、それぞれの領域を得意な人が実施し、それぞれが考える本業に集中できます。分担することは、団体のビジョンの実現にむけた目的達成のために有効的で効率的です。

団体側も、事業を担当する職員には「専門知識や専門技能を高めて欲しい」と伝えて、研修受講など推進する施策をしていけば、職員自身も「自分は専門知識を高めることが重要なことだ」と思うようになり、相乗効果で専門度が高まっていきます。また、NPOの総務・経理・会計の事務局の分野で経験を積めばNPOであればどこでも求められる人材なのでキャリア的にも有利になります。

この「強み」に注目した考え方は団体の活動の価値を高める上で欠かせないことです。一方「弱み」はどのように扱われているでしょうか。

「子どもと接することは好きで得意だが、売上とか収益とか数字は全然わからない」「事務能力ゼロなので無理」「大勢の人の前で話すなんて無理」「自分はリーダーより補佐するのが向いている」など得意ではない領域は、誰にしもあるものです。

分担することに慣れてくると、それが当たり前になってきます。「苦手な部分は組織を使えば、自分は本業に集中できて楽しい」「補佐することで、自分だけで仕事をしていたら得られない額の収入が得られる」など、組織が自分のコンプレックスを解消してくれるような感覚を持つこともあります。

この感覚は「営業や集客なんてめんどくさいことはごめんだ。私は好きなサービス提供だけしたい。」といった自分のために組織を使う感覚を持ったり、「本当は嫌だけど、今の収入はここにいることでしか得られないから我慢して言うことを聞こう」といった自己犠牲の思いにつながります。

このように考える人が多い団体は、うまくいっている時はまわっていきますが、危機に対してはもろいです。必要な情報が共有できなかったり、本心が語れないことで集団での問題解決ができなくなります。

人の「強み」に光をあてすぎると、「弱み」の影が濃くなります。このバランスを意識することはNPOの運営にとって大切なことだなと感じます。

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