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「東京」と「Same Thing」

どうも。

2020年、最初に気持ちが高鳴った楽曲がこれです。
1月に公開されたPVを見た時に「これはヤバい!」と興奮しましたが、今(2020年3月)聴くとさらにヤバい。バリヤバい。

ポップ・カルチャーを愛するひとりとしては、心のHPをジリジリ削られていくような毎日を過ごしています。様々な種類のライブやイベントの延期もしくは中止が相次いでアナウンスされました。そしてさらに、ライブハウスという具体的な場所までもが槍玉に挙げられているムードになってしまい、やりきれない気持ちに拍車がかかっています。だからと言って、もしもキャンセルされなかったライブがあったとしても、能天気にライブに出掛けるという気持ちにもなれないのですが…

そんな憤り、悲しみ、怒り、なんだかよく分からないこんがらがった感情。この「東京」はそんな複雑なフィーリング全てを包括するようなエネルギーに満ちていてます。

不穏な原始的なビートがループし続け、まるで今の状況を予言しているかのような歌詞が紡がれていきます。まさに、私たちの「暮らし」を描いた楽曲ではないでしょうか。

理由はないけど
眠れない夜に
傘を閉じれば雨が降る
東京
□GEZAN/東京

「怒り」という感情が近年の自分自身のムードと合致するようになってきました。これまで様々な「生活」をテーマにした楽曲を多くリリースしていた星野源が、2019年に「Same Thing」で高らかにFuck Youと歌った気持ちもとてもよく分かります。

I've got something to say
To everybody, fuck you
(みんなに言いたいんだ)
(Fuck youって)
□星野源/Same thing

社会全体に蔓延る不条理に向けて中指立てよう。そして何より、こんな現代社会で正気を保ちながらサバイブしていくために、喜びも怒りも同じように出していこう。そんなもやもやした気持ちを吐き出したようなFワード。

意味なんかないさ
暮らしがあるだけ
□星野源/恋

特大ヒット曲の中ですら、少しシニカルなニュアンスで歌われた「暮らし」。そんな暮らしを維持することでさえも段々と脅かされはじめ、もはや静観していることなどできない。社会で起きている出来事に関して、今まであまりにも無関心だったのではないかという自省の念にも駆られます。

「東京」と「Same Thing」が抱える共通の感情が、20年代のスタートに一番マッチするものであったことはしっかりと記憶しておきたいなと思いました。

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