畑から生まれた俳句は、生命讃歌だった
去年の夏の終わりから、都内で畑を借りて野菜づくりを始めた。畑からとれるのは、もちろん野菜なのだけど、それだけではない。畑で過ごす時間が、そこでしか味わえない感覚が、いくつかの俳句になっていく。たとえば大根。
9月中旬に撒いた小さな大根の種は、みごとな放射状の葉をどんどん広げた。そして、その葉の下で、いつの間にか頭がにょきっと地中から伸び、それはいまにも這い上がらんばかりだった。
そして、いよいよ収穫。葉っぱを束ねてぐっと引っ張ると、一瞬の抵抗の後にあっけないほどぽこっと抜