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善か悪か

医療は時に残酷で、それは命に関わる事ばかりが対象ではない。私はそう思う。

医療機関の現状として離職は深刻な問題だ。キャリアを構成することは困難を極める。新卒、つまり経験年数が若いスタッフを中心とした医療を展開している現状がある。そして、離職率は決して低い数値ではない為に、教育を行うはずの中間層が不足し慢性的な人不足で何とか運営している病院も少なくはないだろう。今は専門職を1人採用するのに驚くようなコストがかかるようだ。

あまり多くは見かけないが、時折厳しい労働環境の中にあって強く意思を保つスタッフを目にする機会がある。

しかし、その多くは比較的に早く退職する傾向にある気がしてならない。

例えば看護師においては
「人の命を預かる仕事」と言い換えられる。
命の価値は他人になどわかるはずがない。
豊富な経験を持つ看護師の指導を受ける
機会を損失している若い看護師が、簡単に
患者家族の思いを理解できるはずがない。

看護師も人だから、忙殺される日々に
判断を間違えてしまうことはある。

たった一瞬の判断ミス。
少しの油断、少しの手抜き。
知らなかった、初めて知った。
まさかこんなことになるなんて。
忙しくて手がまわらなかった。
機会が故障していた。
体調が悪かった。

そのどれもが命を預かる立場として
理由として納得されるものではない。

では、どうすればそこから這い上がって
成長して一人前の看護師になるまで
メンタルを保ち続けられるだろうか。

真剣にやればやるほどすり減っていく
感覚がすると聞いたことがある。

この現状は誰も得をしない。

しかし、やればやるほど自分が駄目になる。

善か悪かは私には分からない。

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