競馬は人生に大切なことを教えてくれる「セリフォス 2022年/マイルチャンピオンシップ」~こだわり続けるオタクは強い~
昨年、6番人気だったセリフォスが大外から、自身の前にいた10頭以上をまとめて差し切った去年のマイルCS。かっこいい勝ち方だった。
セリフォスー。
最近では珍しい生粋のマイラー、というかガチのマイル専門家だ。「当店のメニューはつけ麺のみ!」といった店舗のようなこだわり。デビュー以来、今なお出走しているレースはすべて1600mだ。
川田騎手とのコンビで新馬・新潟2歳Sと連勝したのもマイル戦。
C.デムーロ騎手を背に初めて挑んだGⅠもマイル戦「朝日杯FS」。
前に行った馬はみんな苦しんだ中でNHKマイルCでも、福永騎手とのコンビで5番手追走からただ1頭粘った。とにかく、戦いの舞台はいつでも1600m。
そして4度目のGⅠ、通算8度目のマイル戦となったのが昨年のマイルCS。
この日のセリフォスは「マイルのスペシャリストたちに挑む、GⅠ未勝利の3歳馬」という立ち位置だったことから6番人気。伏兵的な見られ方だった。
だが、実際のところ1番のマイルのスペシャリストはセリフォスだった。
出走17頭の中でマイル戦しか走ったことのない馬はセリフォスただ1頭。そのこだわりが実を結ぶ形で、レーン騎手を背に一番外からまっすぐ伸びてまとめて差し切った。
余談までに・・ラジオNIKKEI米田元気アナウンサーの実況が素晴らしかった。大外から、伏兵とみられていたセリフォスの差しきりだったがその激走に動揺した様子はなく、でも熱くその1着を伝えた。
その後、事前に準備していたであろう情報を続けた。
レースは馬と騎手と陣営が主役。そしてファンに納得の情報を伝える実況が心地よかった。(おそらくだが、あの時他の馬が勝っても、それぞれその馬がマイルチャンピオンシップを制覇するにふさわしかった理由を伝える言葉を準備・用意されていたと思う)
本題に戻って―。
この10年で確実に「なんでも、そこそこできる万能タイプ」な人よりも
「これはできる」がある人の方が重宝される、印象に残る時代へと変わってきたと思う。
「私、○○オタなんですけど」と普通に会話で聞けるようになったのも、その影響だと思う。バラエティ番組でも「マツコの知らない世界」「クレイジージャーニー」はじめ、様々な番組で様々なジャンルのオタクな方々が注目、人気を集めている。
オタクは強い。
「なんでも知ってる」は「ネットの検索機能」には勝てない。もう、「○○なら知ってる」「○○ならできる!」と言えるものを掘りこむ方が強い時代になったと思う。
さて‥明日のマイルチャンピオンシップ。
今年のメンバーでもマイルしか走ったことがないのはセリフォスだけだ。
オタクは強い!
マイルオタクのセリフォスの連覇も十分にあると思う。
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