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変わりたい自分

『はじまりのシグナルに心の奥底から突き上げる鼓動今感じて』人前に初めて立った日を思い出す。鼓動がダイレクトに伝わってきて緊張と不安が一気に押し寄せてくる。
その瞬間に口を開いて台詞を声に出した。
もう鼓動の事なんて忘れてた。

自分がされて嫌なことは相手にしてはいけない呪文のように唱えられて育ってきた。
だから昔は過剰に周りを意識して生きていた。自分の放つ発言で傷つく人がいたら嫌だったから。口に出す時は頭で1回考える。嫌われないように、不快にさせないように。気を張って生きていた。
小学生の時、突然同級生に私の持っている体操着入れを馬鹿にされた。私は驚いて固まってしまった。その体操着入れは母親が作ってくれた物だったから、私は嬉しくて使っていたのにダサい変だなんて汚い言葉をかけられた。何で今私は傷つけられたのか分からなかった。突然胸を刺された感覚。その時に平気で相手を傷つける人間がいる事を学んだ。
頭が痛くて、黒い感情がいっぱい溜まって急いで家に帰った。家に着くといい匂いがして母親がご飯を作ってた。それを見て号泣した。

昔から感情ノートみたいな物があってノートに殴り書きでひたすら思ったことを吐き出すということをしていた。悲しかったことも嬉しかったことも全ての感情を文字にして、出来上がったらそれを声に出す。嗚咽が出るくらい辛くなっても止めない。声に出して感情のままに吐き出す時間。誰にも言えないからこそ、1人で発散していた。
もうこの時から表現者になりたいって無意識で思ってた。だから学生になって初めて自分から行動して演劇部に入った。

私に初めて演劇を教えてくれた人に貴方の素を見せて欲しいと言われた。今永成美は今まで感じた、悔しさとか諦めとか喜びとか色んなものを含めて形成されているから、そんな簡単に素を見せるなんて怖い事だと思った。でもこのままじゃ何も変わらないと思ったから、自分の今までの感情を全部ぐちゃぐちゃに壊した。解放した。いつも1人でやっていた感情を吐き出す時間をその人の前でぐちゃぐちゃになりながら思いを伝えた。私にとって今でも覚えてる大切な時間。

『平穏を引き裂いていく刺激』突然胸を刺してくる人の痛みが分からない人間。
『弱さだって隠す必要はない在るが儘の君でいい』ちゃんと傷ついてることを誤魔化さなくていい
私の好きな歌詞

『例えば最初から満たされていたとしたなら苦しまなくてよかったんだろう』あの時苦しい思いをしなかったらきっと感情ノートなんて作ってないし表現者になりたいなんて思わなかったかもしれない。『嬉しいこと悲しいことこの目が映すすべてを』私が経験してる事なんて大した事無いかもしれない、もっと辛いと思ってる他人はたくさんいるんだと思う。でも私が目にしてきた1つ1つの感情を何かに載せて違う形で誰かに届けることが出来たらそれは凄く幸せな事なんかじゃないかななんて思う。

私が描きたいストーリーがいつか誰かにとどいたらいいな。
『fragment』大好きです。

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