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【選択肢を用意してみる -中学男子編-】

我が家の洗面所のタオル掛けは、市販品を強力両面テープで洗面台側面に留めてある。さすが強力テープ、留めてから3年ほどビクともせずに固定されていた。

ところが、昨年ごろからそのテープが外れ始め、外れかけては押しつけて留め、時にはガムテープで仮押さえし、を繰り返し、ついにしびれを切らした夫から留め直し指令が出された。言い出しっぺにテープを買ってきてもらい設置し直したところ、しばらくは固定されていた。でも、数日でまた外れてくる。

実は、最初に使ったテープと夫が購入したテープのメーカーが違った。接着力に差があるのかと思ったが、長男が手を拭いている現場を見て、気がついた。

長男は手を拭くときに、掛けてあるタオルを下に引っ張る。成長してその力がだんだん強くなってきたのだ。さらに、拭き方も手荒くなっている。

なるほど。これは、何度留め直しても同じ繰り返しになる。そこで長男に「手を拭くときに、タオルを引っ張らないようにして拭いてくれる?」
とお願いした。

「わかった」と生返事だったが、しばらくは気をつけていた、らしい。タオル掛けも無事だった。

ところが、やはり外れてくる。どうしたものだろうか、と思いあぐねて一計を案じる。

「あのね、タオル掛け、また外れているのよ。
 『タオル掛けが外れたらあなたが直す』か、
 『タオル掛けが外れないように手を拭く』か、 
 どちらかにしてくれない?」

それから数ヶ月、外れた状態を見ていない。

やっぱり、長男には諭すより選ばせる方が効果が高い。自分で考えて出した答えに責任を持つ方が性に合うらしい。実はそんな格好いいことでなく、自分で直したくない一心で手の拭き方を改めただけかもしれないが。

ん? よく見るとタオル掛けが傾いている。さては留め直したか?

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