見出し画像

【ライブレポート】IMALAB×新宿LOFT 「ライブが見たい!#02」ライブハウスでの興奮が伝わる熱いパフォーマンス!

3月2日(火)に、新人アーティスト発掘プロジェクト「IMALAB(@imalab2021)」と新宿LOFT(@SHINJUKULOFT)がコラボした無料オンラインライブ「ライブが見たい!#02」が開催された。

新宿LOFT・大塚智昭(@zukasun)によるClubhouseでのトークがきっかけで立ち上がったこの企画は、2月19日(金)に第1回が開催。あれからわずか10日で迎えたのが今回のライブだ。

前回同様、IMALABによる出演募集ツイートに対してリプライを送り、そのリツイート数をもとに出演者が決まるというブッキング方式の結果、全5アーティストの出演が決定。

■ナギサワカリン(@Nagisawa_Karin)
■WELL DONE SABOTAGE(@_W_d_S_)
■HAO(@HAOofficial1)
■Lyric Jack(@Lyric_Jack)
■Imiss(@imiss_band)

オープニングトーク

そしてこれも前回同様となるが、ラジオDJ等で活躍中の藤田たくみ(@TakMe520)をゲストオーディエンスとして招き、ライブ前後に視聴者参加スタイルでのZOOMによるトークも展開した。ライブ前のZOOMでは、新宿LOFT・大塚智昭や視聴者を交えてのトークでライブが始まる直前のワクワク感を共有。さらには前回のライブが視聴数5000回を突破したことにも触れつつ、配信ライブの楽しみ方を案内するなど期待感を煽るかたちで本日のトップバッターであるHAOへとバトンを繋いだ。

HAO

LIVE HALLを舞台に「ライブが見たい!#02」の先陣を切るのは栃木出身のポップバンド、HAO。「HAOです、よろしく!」という本田こころ(Vo./Gt.)の第一声から“街風”でライブスタート。

画像1

テンポのいい爽やかなロックナンバーで勢いをつけると、渋谷駅到着を告げる車内アナウンスのSEから始まる“インスタントミュージック”では本田の優しい歌声とヤマナカタカシ(Gt.)のどこか抒情的なギターが温かくLOFTを包み込む。

画像17

MCでヤマナカは、自身が大好きなナンバーガール、フジファブリックが生まれた新宿LOFTのステージに立てていることを夢みたいだと表現。今日の出演へと繋がるリツイートをしてくれたファン、さらには新宿LOFTへの感謝も。本田は、コロナでの苦境の中でもこうしてLOFTで音楽を届けられていることを感謝しつつ、配信を見ている視聴者にとってもプラスであるように願っていると語り、最後の曲“花束”へ。

HM本田こころ_TAMA

イントロからキャッチーで心が躍りだすようなグッドメロディが気持ちいい。こんなポップネスがあふれている曲のサビに《響かないメロディ 響かないポップソングに 嫌気がさして来てもまだ》という、まるで正反対の歌詞を乗せて歌っているのも面白い。爽やかなポップバンドという単純な言葉では表現しきれない、幾重にも重なる魅力を持つ、そんな一面を見せてくれたHAOのライブだった。

画像3

セットリスト
1.街風
2.インスタントミュージック
3.花束

Imiss

BAR STAGEのトップを飾ったのは「映画音楽」をテーマに掲げるシネマティックロックバンド、Imissだ。一台の固定カメラによるモノクロ映像という演出で一気にImissの映画的世界へと引き込んでいく。

画像5

1曲目“Make Your Call”はまさに「映画」のオープニングともいえる、何かが始まるような印象を与える静かで力強い壮大な曲だ。両手を広げ、この場を支配するかのように堂々と振る舞うKosuke Ogawa(Vo.)の姿が絵になっている。

曲が終わると間髪入れずに2曲目“Whiner”へ。透き通るような、どこまで届くようなKosukeの歌声とImissがトータルで放つ、世界を意識させるサウンドに圧倒されてしまう。聴く者の気持ちを高ぶらせるMasaki Yokoyama(Dr.)のドラミングが、さらにスケール感を加速させていく。

画像6

3曲目となる“Monologue”では、エレクトロからストリングスまで様々な音を入れ込んだ同期のオケとMasaki、Yuki Morodome(Ba.)によるリズム隊、そしてボーカル・Kosukeのすべてが抜群のアンサンブルを奏でていた。

一切のMCを挟むことなく、たった15分の中で映画的表現に挑戦したImiss。BAR STAGEの枠を飛び越えるパフォーマンスは、LOFTから世界へ発信しようという彼らの気概を感じさせるものだった。

画像6

セットリスト
1.Make Your Call
2.Whiner
3.Monologue

ナギサワカリン

舞台は再びLIVE HALLに戻り、次に登場するはナギサワカリンだ。アイドルや舞台役者と掛け持ちをしているという彼女。その第一声は「世界に稲妻の歌声を!大分が産んだ絶対愛されマルチシンガーのナギサワカリンです!よろしくお願いします!!」

迫力の絶叫で自己紹介をすると、弾き語りによる “僕の街まで”でライブ開幕。映画的だったImissとのコントラストも刺激的で、低くて力強い、息遣いが伝わってくる生々しい歌声に圧倒される。続いて披露したのは“ブッxxス!”。配信画面を突き抜けてくるような声量がすさまじい。アコースティックギターから響く、奥行きを感じさせる音との相性も良く、声のパワーをビリビリと感じる。

ナギサワカリンAg_TAMA

「ここは新宿LOFTです!やったあぁぁぁ!」
ずっと観てきたLOFTでライブができる喜びを爆発させるナギサワカリン。白黒で彩られた市松模様のステージの上には、ただただ素直に感動と感謝を全身で表現する彼女の姿があった。

ナギサワカリンEg_TAMA

後半はバンド編成でのライブへとスイッチ。アコギをエレキギターに持ち替えて「あなたにとっての光が見つかりますように!」の言葉とともに“ヒカリ”、そしてラストの“スポット”へと続く。彼女の歌声は声量や迫力があるだけでなく感情がしっかりと込められていて、表現力も豊かだ。バンドサウンドの中でも埋もれず、すべての音の中心にドン!と立つ。ナギサワカリンはあの瞬間、新宿LOFTの堂々たる主役として輝いていた。

ナギサワカリン全体_TAMA

セットリスト
1.僕の街まで
2.ブッxxス!
3.ヒカリ
4.スポット

Lyric Jack

BAR STAGEに移り、4番手として20歳黒一点のリリカルポップロックバンド、Lyric Jackの登場だ。男子は森口楽絃(Vo./Gt.)のみ、楽器隊の旭くにこ(Gt./cho.)、前田梨沙(Ba./cho.)、えだはるか(Dr./cho.)は全員女子というちょっと珍しい編成。しかしライブが始まってしまえば編成うんぬんよりも、そのパフォーマンスに釘付けとなる。

Gt_Cho 旭くにこ_加藤

“恋の跡”での「若さ」や「衝動」を想起させるエモーショナルな歌声。あどけなさの残る表情で歌う森口と、前田を中心とする女子メンバーによるコーラスがさらにアオハル感を演出する。

Ba_Cho 前田梨沙_加藤

森口はMCで、多くの人の尽力でこのライブが開催されていることに触れ、「恩返しのつもりで精いっぱいライブするので最後までよろしくお願いします」と挨拶。そしてすぐさま2曲目“口笛を吹いている”を披露する。ひとつひとつの音を丁寧に紡いでいて美しく響くミディアムナンバーだが、その演奏はアグレッシブだ。

_Dr_Cho えだはるか_加藤

ラスト、前田の鬼気迫るピック弾きベースから始まった“夜明けの詩”。むき出しの若さで《そのまま走り出せ》《いつか死ぬ時は 誰よりも一番綺麗な走馬灯を》と歌う疾走感のある曲で、一歩踏み出す前の高揚や緊張が伝わってくる。今を全力で駆け抜けるLyric Jackの全力のライブは、瑞々しさにあふれていた。

Lyric_Jack全体_加藤

セットリスト
1.恋の跡
2.口笛を吹いている
3.夜明けの詩

WELL DONE SABOTAGE

いよいよ最後、LIVE HALLにて大トリを務めるのは静岡出身のスリーピースロックバンド、WELL DONE SABOTAGE。まずは1曲目、オープニングを飾ったのは胸の奥をセンチメンタルに刺激する“初恋”だ。《こんな心揺れ動くことを初めて知った ああこの気持ちのこと恋と呼ぶんだろうな》と歌うこの曲に、五味礼一郎(Vo./Gt.)の繊細な歌声がピタリと寄り添う。まるで初恋が持つ特別なあの感覚がよみがえるようだ。

Vo.五味礼一郎_TAMA

ライブはさらに加速する。「これはあなたを全肯定する歌だ!」という五味のメッセージから、軽快なリズムを纏った“New Order”、さらには世界を壊すかのような爆音ドラムから一転、悲しみを超え一歩ずつ進むように音を繋ぐ構成が印象的な“喜びの唄”と、色の異なる2曲をたて続けに披露した。

Dr.のざきち_TAMA

3人が織りなす音楽からは切なさや温もりが伝わってくる。哀愁を帯びた五味の歌声を中心に、飯塚啓介(Ba.)のダイナミックな動きと丁寧なベース演奏、そしてのざきち(Dr.)の優しく、滑らかで柔らかいドラムがWELL DONE SABOTAGEの音楽を支えていた。

Ba.飯塚啓介_加藤

最後の曲を演奏する前に、五味は熱く語る。絶望に沈む一年を過ごした中で、希望を見出したこの企画への想いを。今日のライブを一秒たりとも無駄にしないという決意を。そして好きな音楽を死ぬまでやっていくんだという覚悟を。

「今日が最後になるなら、やっぱり僕は音楽をやっていたいと、そういう歌です」と告げ、気合たっぷりの“Father Time”を演奏してライブは終幕。音楽への愛とライブへの情熱にあふれるステージだった。

WDS全体_TAMA

セットリスト
1.初恋
2.New Order
3.喜びの唄
4.Father Time


エンディングトーク

IMALAB×新宿LOFT 「ライブが見たい!#02」、その締めくくりとなるのはエンディングのZOOMトーク。オープニングに続いて藤田たくみによる司会進行で、視聴者とのライブ談義が繰り広げられた。また、ライブを終えたばかりのアーティストたちも続々とZOOMに参加し、興奮冷めやらぬ様子で口々に感想を語っていく。

次に新宿LOFTでやるときはBAR STAGEではなく大きいLIVE HALLでやりたいと話すLyric Jackや、ポップだけでなくロックもできるところを見せたかったと語るHAO、今日がバンド初となる配信ライブだったと明かすImiss。ライブ後でもパワフルな声が響くナギサワカリンに、熱い気持ちになりましたと充実感漂うウェルダン。

ライブはもちろんトークでもそれぞれの個性が出たエンディングのZOOMは、まさにライブが終わった後の名残惜しさを象徴するような時間となった。

IMALABと新宿LOFTがコラボして、「緊急事態でも、やっぱりみんなで、ライブが見たい!」をテーマに掲げて開催した無料オンラインライブ「ライブが見たい!」。2月19日の第1回と今回の第2回、あわせて11アーティストが出演し、お互いの個性を存分に発揮する印象的にライブを繰り広げた。

またいつかライブハウスで、何の不安もなく笑顔で再会できる日が来ることを願いつつ、あらためて今回素晴らしいライブアクトをしてくれたアーティストと、場を提供してくれた新宿LOFTに大きな拍手を送りたい。

無料オンラインライブの模様はそれぞれアーカイブにて視聴することが可能なので、リアタイした方も見逃した方もぜひチェックしよう。そしてもし気になるアーティストが見つかったら、これからの彼らや彼女たちの活動にも注目してほしい。

■「ライブが見たい!#01」

■「ライブが見たい!#02」


■Imiss/Lyric Jack/WELL DONE SABOTAGE(3枚目) photo by Megumi Kato(@meg_livephoto__)
■HAO/ナギサワカリン/WELL DONE SABOTAGE(1,2,4枚目) photo by TAMA(@tm_livephoto)
■flyer design by 梁取瑶(y_yanatori)
■text by ほしのん(@hoshino2009)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?