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双子座19度「大きな古典書物」

双子座19度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、A large archaic volume.「大きな古典書物」。

ディーン・ルディアはこの双子座19度のサビアンシンボルを、A large archaic volume reveals a traditional wisdom. 「巨大な古代の書物が、伝統的な知恵を開示する」と言い換えました。

これは、もともとのジョーンズのサビアンシンボルに、 reveals a traditional wisdom.「伝統的な知恵を開示する」という言葉を付け加えたことになります。

ここでの A large archaic volume「大きな古典書物」というのは、難しいことが書かれている実物の分厚い本のことではなくて、いわゆる「種の書物」というような、人類普遍的な知恵を指すものといわれています。

「種の書物」とは、たとえばマザーグースの歌や日本のわらべ歌など、子どたちも良く知っているような歌や、語り継がれてきたみんなが知っている昔話などに埋め込まれた深い知恵のことを指しています。この、こどもでも誰でも知っているということは、双子座が持っている象意の一つとなります。

といいますのも、双子座のルーラー(支配星)は水星になりますが、水星の惑星年齢期はおよそ07歳から14歳くらいまでとなります。つまり、みんなが知っているような基礎となる知識というのが、本来の双子座が表している知性ということになるわけです。

そして、また、この双子座19度のドデカテモリーは、山羊座になります。どちらかというと双子座は新しい物好きなサインなのですが、ルディアは、このドデカテモリーが山羊座であることを考えて a traditional wisdom.「伝統的な知恵」を書き加えたと考えられます。山羊座は、そのルーラー(支配星)が土星であることからもわかるように、古いものや歴史そして伝統などを好むサインであるのです。

世間一般というものは、流行や考え方がころころと常に変化しているものですが、いつもの双子座は、その、ころころと変わる世間一般にフォーカスしているということができます。しかし、この19度のように、歴史ある昔からの山羊座の世界にも錨(いかり)を下すことで、ぐっと安定感がある双子座が生まれるということになります。

このサビアンシンボルの度数である19度は、対局のあるものとの統合という性質を持っています。ここにおいての対極とは、双子座が表している、変化が激しい流行や日頃の情報と、山羊座が表している、昔からの変わらない根源的な知恵ということができるでしょう。

このいっけん正反対な二つが統合されることで、新しい日頃の情報と、昔からの根源的な知恵が組み合わさった、新しい世界観が構築されて行くのが、この19度であるということになります。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、温故知新、古きを訪ねて新しきを知るということが大切なポイントであることがわかります。

伝統的な知恵というのは、いつの時代にも通用するような、私たちの生き方や暮らしに根付いた知恵であることが多いのです。

たとえば、具体的には、この古きを訪ねるという中に、環境に根差した先住民たちの生活の知恵を、含めることも可能でしょう。先住民たちの暮らしは、つい数百年前までは、地球上に残っていた暮らし方です。

長老(山羊座の象意)の教えとして、先住民たちの生活の知恵は、長い間守られてきました。そこでは、お金を稼ぐことだけを考えて、植物やお魚などをすべて取りつくしてしまうやり方は、認められなかったことになります。

地球に生きる民として、土地に境界線が無かった時代の古き知恵の中に、これからの私たちが知るべき新しい知恵が眠っているということができるでしょう。


双子座19度 今季洋