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蟹座21度「歌っているプリマドンナ」
マーク・エドモンド・ジョーンズの蟹座21度のサビアンシンボルは、A prima donna singing.「歌っているプリマドンナ」。
ここに使われている prima donna 「プリマドンナ」とは、もともとは、イタリア語で「ファーストレディ」という意味を持った言葉だったのだそうです。そのあと17世紀末に、オペラ発祥の地イタリアで、オペラのヒロイン(女主人公)役を演ずる歌手のことを指す言葉として使われ始め、その言葉の流布とともに、花形オペラ歌手を指す世界の共通語となりました。
ディーン・ルディアはこの蟹座21度のサビアンシンボルを、A famous singer is proving her virtuosity during an operatic performance.「オペラを歌うことによって、有名な歌手が自分の名人芸を証明する」と言い換えました。
ここに使われている virtuosity という英単語は、「名人芸」のほかに「妙技」とも訳される言葉です。「妙技」とは、芸術の中でも、それに接した者の中に陶酔を呼び起こすレベルを持つものを指す言葉となります。
この度数のドデカテモリーは魚座ですが、魚座は芸術と密接なつながりを持つサインとなっています。そして、この芸術のレベルが上がって行くことで、 芸術的な陶酔も引き起こされるようになるわけです。
そして、また、このサビアンシンボルのもともとのサインである蟹座も、そしてこの度数のドデカテモリーの魚座も、ともに水のエレメントに属するサインとなります。
水のエレメントとは、相手と一体化することを好み、融合して混じり合う性質を持っています。そして、混じり合ったものとの境界線は無くなるか、とても薄くなるという特徴を持っています。つまり、自分と相手の区別が限りなく無くなるのが、水のエレメントということができるわけです。
オペラのプリマドンナは豊かな情感を歌い上げますが、この豊かな情感というのも、水のサインが持っている特徴のひとつとなっています。オペラという総合舞台芸術は、それを客席で見ている人たちとも一体化して、感動を共有するものということができるのです。
そして、また、このサビアンシンボルの度数である21は、2 + 1 = 3 で、3 の系列に属する数字となり、そこには、タロットの大アルカナの「3.女帝」のカードが表しているのと同じような、生産性や拡大力があると考えます。
それに加えて、21度は、そのサインの中での強力でテンションの高い状態を表わし、外に積極的に飛び出す跳躍力も持っていることになります。
プリマドンナというのは、花形ですので、そのオペラの中で最も目立つ人ということができます。しかし、プリマドンナは一人だとしても、彼女一人だけではオペラは上演することはできません。
いろいろな役割のたくさんの人たちが、一つになってはじめて良い舞台は出来上がります。協力し合える人たちとの気持ちの結びつきがしっかりとしていること、まとまりのある良い関係をつくり出すことができるようすが、プリマドンナの背後には隠れていることになります。
これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、人の輪の中心にあって、最高の能力を発揮して、みんなの力をまとめ上げると良いということがわかります。
ハッとするような魅力やパワーを持ち、自分自身は目立ちながらも、同時に、周りの人たちとの「和」を保つこともできる資質が、ここにはあるはずです。
つまり、自分自身を積極的に際立たせて行くような尖った性質を持ちながらも、縁の下の力持ちのような役割を果たしている人たちとも、ファミリーの一員どうしとして心を一つにできるという、蟹座らしいリーダーシップの在り方がここにはあるといえるでしょう。
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