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乙女座27度「お茶会をしている高貴な貴婦人」

乙女座27度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、Grande dames at tee.「お茶会をしている高貴な貴婦人」。

 grande dame は、ここでは「高貴な貴婦人」と訳されていますが、もともとはフランス語で「偉大な女性」という意味になるそうです。特に、芸術やファッションの世界や社交界などで、長い間活躍し尊敬されている女性を指す言葉とのことです。

ディーン・ルディアは、この乙女座27度のサビアンシンボルを、A group of aristocratic ladies meet ceremonially at a court’s function.「貴族の女性たちが宮廷での義務として儀式的に出会う」と言い換えました。

ルディアの著書を見てみると、彼はこのサビアンシンボルの「主な特徴」を、「優れた文化的基準を永続させるために、尊敬される伝統を引き継ぐ能力。」として次のように書いています。

「公式のお茶会から宮廷でのプレゼンテーションまで、文化の多くの儀式で効率的に行動できることを意味します。威厳、優雅さ、正式な規則への敬意が不可欠です。」

このサビアンシンボルの度数である27度というのは、30度まである一つのサインの終盤にあって、次のサインへの扉が開かれる度数ということができます。

27度は、2 + 7 = 9 で、精神や叡智をあらわす「9」の系列に属する数字となりますが、サインの終盤にありますので、精神がまず先に次のサインに向けて飛んでみている様子を見ることができるのです。

ここでの次のサインというのは天秤座になるわけですが、「高貴な貴婦人たち」や「貴族の女性たち」が持っている、優美さやエレガントな立ち居振る舞い、そして社交の中に、すべて天秤座の性質を見ることができるでしょう。

そして、また、この度数のドデカテモリーは、蟹座となります。蟹座は、気心の知れた身内の人たちとの親しい関係性を表わしていることになります。「高貴な貴婦人たち」や「貴族の女性たち」というのは、いつもは、同じような気心の知れたメンバーによって構成された、閉ざされた世界の住人ということができます。

そんな彼女たちにとって、お茶会は風通しの良い、楽しい情報交換の社交の場(ドデカテモリー天秤座の象意)ということができることになるわけです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、型を守りながらも、外への扉を開け閉めしてみると良いということがわかります。

お茶会という限定された時間の中で、「高貴な貴婦人」は、外への扉を開いて、風(水瓶座の象意)を感じてみていることになります。それは、自分たちが続けてきたことを守りながらも、外の情報に触れる機会を作っていることになります。

すべてオープンになっている環境では変化が激しくなりますので、旧来のものを保持し続けることは難しくなります。つまり、外向的に開いている状態と内向的に閉ざされていることには、その両方に長所と欠点があるので、状況に応じて開閉するのも一つの方法といえます。

ルディアも、先ほどの文章に続いて、「形式主義は時代遅れで無意味だと考えるかもしれませんが、それが守られなくなると文化は崩壊します。」としたうえで、「過度に個人主義的で混乱した私たちの新しい世代は、日本の茶道、生け花、柔道などを学ぶことに価値を見出しています。」と書いています。

ここに「日本の茶道、生け花、柔道など」が出てきたことに驚きもしましたが、この例えがあることで、ルディアが言いたいことがとても良くわかったようにも思います。

日本の文化の中で「~道(どう)」という名前が付いているものは、みな「型」を持っていますが、それと同じようなものを、ルディアはこのサビアンシンボルの中に見出だしていたことになるわけです。

「~道(どう)」という型を持っている旧来の日本文化も、私たちからすると、ちょっと窮屈そうな古いものの部類に入るように感じられたりもしますが、そこには、現代人が失いつつある大切な価値もあるということに、少しずつ目を向けるようになった人たちも増えてきているように思えます。


乙女座27度 今季洋