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水瓶座30度 「アーダスの咲いている野原」

水瓶座30度のマーク・エドモンド・ジョーンズのサビアンシンボルは、The field of Ardath in bloom.「アーダスの咲いている野原」。

ここに使われている Ardath 「アーダス」というのは、マリー・コレリが書いた小説『アーダス:死せる自己の物語』に出てくる、古代バビロニアの神秘的な牧草地の名前のことを指しています。

マリー・コレリは、バラ十字の会員であったとも、キリスト教神秘主義者ともいわれているそうですが、本人が生前、自分のプライバシーを明かさないように努めていたこともあって、ハッキリとはわかっていないようです。彼女が書いた本の中の数冊は、とてもスピリチュアルな内容となっているとのことで、この小説もそのような内容の一冊となっています。

そして、この小説の第9章の中に「アーダス」という言葉の語源について書かれている部分があります。それによると、これは古代の「エズラ記」に出てくる言葉とされていて、登場人物が天使に連れられて入った荒れ地の名前が「アーダス」となっています。そして、このアーダスの野原にはとても神秘的なハーブの花が咲いていたと書かれています。

水瓶座の最終度数であるこの30度のサビアンシンボルに「アーダスの野原」が使われているわけは、それが古代バビロニアの文明が栄えた場所にあるとされているからということも、理由の一つと考えても良いのかもしれません。

古代バビロニアは占星術の発祥の地とされている場所でもあり、そして占星術は水瓶座の象意のひとつとされています。一つのサインのエネルギーをすべて吐き出す度数といわれている30度に、古代バビロニアのアーダスのお花畑が描かれるのは、とてもピッタリとフィットしていると言えそうです。

それにしても「アーダス」という言葉には不思議な魅力があります。それは、人類が持っているといわれているアカシックレコードの記憶の中にいざなわれるような、とても深いところが刺激される言葉です。このアーダスの野原は「人類に共有の懐かしいお花畑を表している」といわれているのも、納得できることのように感じます。

ディーン・ルディアはこの水瓶座30度のサビアンシンボルを、 Deeply rooted in the past of a very ancient culture, a spiritual brotherhood in which many individual minds are merged into the glowing light of a unanimous consciousness is revealed to one who has emerged successfully from his metamorphosis.「変成を成し遂げた人に明らかにされる、多くの個人のこころがひとつの光の中に溶け込んで行く、超古代文化に根を持つスピリチュアルな同胞団」と言い換えました。

ルディアのほうでは「アーダス」という言葉は使われていないのですが、この「アーダス」という固有名詞が持っているニュアンスを、誰にでもわかりやすいように表現しようとしていることがわかります。

この度数のドデカテモリーは山羊座ですが、ここでは、古代バビロニアを含めた地球上の土地の記憶に、山羊座が持っている歴史の記憶を重ねることができるようにも思います。

通常の山羊座では、たとえば教科書に載っているような、歴史的に常識的な範囲での記憶を扱うわけですが、このように水瓶座の中の山羊座になったときには、それに「超」が付く、アカシックレコード的な時間の流れの大きさが生まれてくることになるわけです。

これらのこから、このサビアンシンボルを活用して行くには、総人類的な精神や、クラスターとクラスターが共時性でつながり合ったような壮大なネットワークのつながりなどに、意識を広げると良いと言えるでしょう。

この度数に太陽がある人としてオノ・ヨーコさんがいることは、この度数のイメージをつかむ上でのすばらしいヒントの一つとなっているといえそうです。

彼女は前衛芸術家、音楽家、平和運動活動家として、広大な全人類の意識にアクセスし続けてきた人ということができるでしょう。


水瓶座30度 今季洋