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双子座29度「春の最初の百舌鳥」

マーク・エドモンド・ジョーンズの双子座29度のサビアンシンボルは、The first mockingbird of spring.「春の最初の百舌鳥」。

ディーン・ルディアの双子座29度のサビアンシンボルも、もともとのジョーンズのものと同じ、The first mockingbird of spring.「春の訪れを告げる最初のモッキンバード」となっています。

ここでは  mockingbird を「百舌(モズ)鳥」と訳されていますが、詳しく調べてみると、  mockingbird の正しい和名は「マネシツグミ」というようです。この鳥は、残念ながら日本には生息していなくて、アメリカ合衆国やメキシコのあたりでは、日常的によく見られる鳥なのだそうです。

マネシツグミは、さえずりの合間にさまざまな鳴きまねを散りばめる性質を持っていて、別の種類の鳥の鳴き声や、犬の鳴き声、ピアノの音や、車のクラクションまでまねることができるとのこと。

鳴き声を発するのは主にオスのマネシツグミで、他のオスから自分の縄張りを守るための警告や、繁殖期にパートナーを誘うために鳴くそうです。そして、繁殖期間中は攻撃的な性格になり、自分の巣に近づくものがいれば、動物であっても人間であっても、攻撃してくるのだそうです。

このサビアンシンボルには、また、 first 「最初の」という言葉と、of spring 「春の」という言葉が使われていますが、これらは初々しさを表わすとともに、これから生き物たちの活動期を迎えて行く、季節の到来を表わしているといえます。ここから、このサビアンシンボルには、社会や環境の時流に敏感なアンテナを持って、時代の先取りをする性質があるとされています。

この双子座29度のドデカテモリーは牡牛座になります。牡牛座は、持って生まれた身体的・遺伝的な資質と言った意味合いを持つサインですが、ここではそれがモッキンバードの歌う能力として表されていることになります。

そして、このサビアンシンボルの度数である29度には、「価値の比較」という意味があります。どのサインにも共通する性質として、一つ前の28度でそのサインからの脱出の道を見つけ、そして、この29度でもう一度自分のサインの資質に戻って、旅立ちのための準備をします。

とくに、この双子座などの柔軟宮の29度においては、それぞれ自分の持てる資質を、異質な次のサインに合わせようとして、資質の変形をしている姿が見られるとされています。

この双子座29度においての次のサインとは、蟹座になります。蟹座サインに合わせるとは、この場合はモッキンバードのように、まねをする能力を持つということになります。この、まねをする・コピーする能力とは、蟹座サインが持っている象意の一つになります。

そして、また、モッキンバードも本能的な愛の衝動に基づいて鳴くわけですが、双子座から蟹座の移行においては、個人から、気心知れた身内の人々の間での、共感や共生へのシフトを見ることができます。つまり、恋愛の気持ちや家庭を持ちたいという気持ちなど、モッキンバードも人間も共通して持っている本能的なものを、蟹座サインの中にみることができるのです。

本能的な要素というのは、それを上手にアピールしたときには、多くの人たちの共感・共鳴を呼ぶものとなるのです。

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、無意識の中にある集団の雰囲気や気持ちを読み取って、それを個人の表現として外に出して行くと良いということがわかります。

そして、それができるアンテナを持つことで、「流行」の先取りをして行くことが可能になるのです。


双子座29度 今季洋