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「毎日のあたらしい料理」 初のレシピ本が出版されるまでのこと。

「どうやって出版って決まるの?」

初のレシピ本「毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ」が2月16日に発売されます。

友人たちに報告すると、聞かれることが多い質問。
私にも、どうやって本が出版されるのか、見当がつきませんでした。


2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により「外出自粛」の日々が始まりました。カメラマンである夫の仕事も軒並み中止。私の料理教室も閉鎖。この生活はいつまで続くのだろう。先のことを想像すると、暗い気持ちにしかなれません。
それと同時に、日に日に「食事の支度の辛さ」についての投稿をよく目にするようになりました。買い物もままならず、感染の不安もあったと思います。
「今の自分に何ができるのだろう?」そう考えるようになりました。その時に始めたのが現在の活動です。
献立決めののヒントになればと思い、ツイッターでも自分自身の毎日の夜ご飯のメニューをツイート。noteにレシピを書くことにしました。
作ってくださる皆さんとの交流に、私の方が元気をいただくようになりました。

2020年8月に、フリーランスで編集をされている林さやかさんから「書籍のご相談」とメールをいただきました。
その時に初めて「ええ、そんなことがあるの?」と思ったのを覚えています。
林さんにお会いしてお話を実際にお伺いし、実現できれば嬉しいと思いました。しかし実際のところ、そうはうまいことはいきませんでした。
私はフォロワー数も多くありませんでしたし、いいね数が多かったりたくさんRTされていたわけでもありません。
林さんの思いに応えたくても、私の力が至らずGOを出してくれる出版社は見つかりませんでした。

そうこうしている間に、年もまたぎ、2021年の初夏になりました。
相変わらずコロナが収まることはなく、カメラマンの夫に協力してもらい自宅で撮影する日々。
本は決まっていませんでしたが、noteやツイッターその他の媒体で自分の思いをこめたレシピを発表することができ、焦ることはありませんでした。その頃には「少し驚きがあり、でも、できそう、おいしそう」と、お料理の時間がわくわくするレシピが作りたいと明確に考えようになったのです。

KADOKAWAの杉浦さんからメールが来たのはその頃です。そして、以前から企画を立ててくださっていた林さんのことを話したところ「いっしょにしましょう!」と、とんとんと出版が決まったのでした。

私の1番の希望は「noteを読んでくださっている方が違和感なく読める書籍にしたい」
今まで、応援してくださった皆さんが読みやすい本にしたかったのです。
元々、林さんと杉浦さんは私のnoteを読み込んで実際にレシピを何度も作ってくださっていたので、そこの意図をよく理解してくださり、同じ思いで制作に当たってくださいました。なんと心強かったか!

そして我が家の雰囲気を活かす画作りも、この本のこだわりどころでした。
別の撮影でうちにいらしたスタイリストの来住昌美さんにご相談したところ、すばらしいスタイリングで、温かみがあり、すっと筋の通ったような気持ちのいい食卓を作ってくださいました。料理本のベテランの来住さんがチームに入ってくださったおかげで、化学反応が起きたと思います。

50品以上の料理を2日間で行うには私には不可能で、野島商店の野島さんに手伝っていただきました。シェフである野島さんの包丁さばきがあざやかで、いつもの私よりだいぶ綺麗な出来栄えになっています。どうぞ違いに笑ってください。
公私ともに、支えてくれる夫には感謝しかありません。今も目の前にいるので、直接お礼を言います。そして試作で何日も同じおかずが続いても気にしない子供達。本当にありがたい存在です。

出来上がった本を、母に読んでもらったところ、字が大きい!見やすい!と大喜び。
目の悪い母にも読んでもらえるように仕立ててくださったのはBarber藤田康平さんです。
おしゃれ、でも見やすい、文字も多く、注釈も多いのにすっきり。そんな魔法のようなデザインで作ってくださいました。兼ねてより、私の好きな書籍をたくさん作ってらっしゃる藤田さんにデザインしてもらい、なんともいえない気持ちです。

たくさんの方に支えていただき、温かいお言葉をかけてもらいました。
書籍が決まったとご報告をしたときに、おめでとうとおっしゃってくださった方々。一生、おおげさでなく、一生忘れません。
中々、本の出版が決まらなかった時には、有賀薫さん、山口祐加さん、ごはん同盟の料理家の先輩方のあたたかさに励まされました。
尊敬する先生方の姿に、勇気をいただいていました。

いつもレシピをつくってくださる皆さんのお声のおかげで、「毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ」が出来ました。
ぜひ、毎日のお料理の時間に少し楽しい気持ちになりながら、役立てていただければこんなに嬉しいことはありません。

あとがきにかえて
と、いうもの書籍のページ数の都合から「あとがき」が確保されなかったのでした!ここに書けて良かった!


「新しいお月見」というプロジェクトに参加しています。 https://note.com/new_otsukimi みんながボランティアで運営しておりますので、もし良かったら上記アカウントにサポートいただければ、ありがたいです。 どうぞよろしくお願いいたします。