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安全登山のために

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#安全登山

あなたもきっと、登山中の水分補給が足りていない

ガイド同士の会話の中でよく出てくる話題があります。それは 「みんな水分補給が足りない。」 「飲んでくださいと言っても、飲んでくれない。」 といった話。そしてこの水分不足問題は、山岳医の先生の講演会・講習会に参加すると、同じように指摘されます。 なので、あなたもきっと、足りていないでしょう。 足りないとどうなるのか?それではなぜ水分補給をしないといけないのでしょうか?足りないとどうなるのでしょうか? 1つめには「病気のリスクの上昇」が挙げられます。水分が不足すると、血液がド

山に登ったことはありますか?

「山に登ったことはありますか?」と聞かれたら、登山者の方は「もちろんあるよ」と答えるでしょう。 ただ、ほとんどの人が登っているのは「登山道」でしょう。 道のない「山」を登っているのは、猟師、林業関係者、山菜/きのこ採りの方といった皆さんではないでしょうか? 山に道はありません本来、山には道はありません。 斜面に木々が生い茂っているのが山です。 自然ですから、当たり前ですよね。 笹薮ならかき分けて進むこともできますが、木になると「もうこれ以上進めない」ということが多々あります

残雪期“ならでは”の難しさにご注意を

ゴールデンウィーク、多くの登山者が信州の山にやってきます。 その中には「雪を求めて」来る方も多いです。 そして事故が多いのもこの時期です。 山に入る方は、残雪期ならではの難しさを十分知っておいてください。 沢への転落に注意沢を渡る際は、十分に注意が必要です。 雪が溶けて薄くなり、崩落の危険があるからです。 沢は「夏場は橋を架けてあるけど、冬の間は外してある」ことがあります。 十分に雪があれば雪の上を歩いて渡ることができますが、溶けてくればいつ落ちてもおかしくありません。 雪

自分の歩くペースを知ろう

自分の歩くペース(=自分の脚力)を知ることはとても大事です。 計画を立てる際の目安になり、行動中の予測になり、いざという時の判断材料になるからです。 ぜひ把握しておいてください。 そもそも「歩くペース」って?時々ゼェーゼェーハァーハァーとものすごく息を切らして登っている方に出会います。 これは完全にオーバーペースです。 これでは疲労、脱水、熱中症、高山病、病気、転倒など、様々なリスクが高まります。 そもそも歩くペースというのは「おしゃべりができる程度のペース」です。 歩く

山に入っては山に従う

7月に入り、1年で一番登山者の多い「夏山シーズン」を迎えます。 楽しみにしている方も多いでしょう。今年はコロナによる外出自粛もあり、例年以上に「待ちに待った」という方も多いかもしれません。 ただ、冷静な判断を忘れないでください。 人の都合「どうしても行きたい」のには色々な理由があるでしょう。 ・ずっと楽しみにしていた ・長年の夢(憧れ)だった ・頑張って休みを取った ・仲間と行けるのはこの日しかない ・せっかく来たんだし ・次はいつ行けるかわからない ・来年登れる自信がな