最近の記事

生きづらさの訳――「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を読んで

書店にいる時間が好きだ。装幀のきれいな本を眺めたり、気になるタイトルの本のページをめくったり……店員さんに声をかけられることなく、心ゆくまでお気に入りを選ぶことができるから。POPが本選びの助けになることもある。 「東京に納得している人は読んでもおもしろくないと思います。若林正恭」 先日、新刊の文庫の平積み台に置かれた若林さんの直筆っぽいPOPとタイトルに惹かれて手に取ったのが、この本だった。思うツボだったかもしれない。 若林さんは言わずと知れたオードリーのツッコミ担当

    • 母への手紙――『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読んで

      #キナリ読書フェス 「スズメバチを食べたルンバ」を読んだのが岸田奈美さんの文章との出合いだった。自分の身に起こった出来事をこんなにおもしろく書けるってスゴい才能だなと思った。 その後Twitterやnoteで奈美さんの文章を読むうちに、とても辛い経験をされていることを知った。思春期に「パパなんて死んでしまえ」と言ったら、その後ほんとうに亡くなってしまったなんて…。私は胸を拳でドンと殴られたような痛みを覚えた。その後、お母さまのご病気もあり、高校生だった奈美さんがいったいど

    生きづらさの訳――「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を読んで

    • 母への手紙――『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読んで