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コラボカフェの前には準備体操を

 金曜日から常に動揺しっぱなしである。ずっと動揺している。止まれない。よってメチャメチャなド乱文を書くが許して欲しいし共感してほしい。少なくとも10年以上細々と推してきたジャンルのコラボカフェというか、ポップアップショップ開催が決まったらしいのだ。

 もうこのリンクを見ていただいたら以下の文章は読まんでいいと思います。お察しください。ハンマーカンマー。 

 児童書レーベルのパイオニア青い鳥文庫。おおよそ小学校中学年くらいからを対象としたレーベルで、初めて小説にトライするような層を対象としている。字が大きくて、振り仮名が振ってあって、挿絵も多い。『かいけつゾロリ』あたりの形式をもう二回りくらい小説に近づけた感じの印象である。noteで文章を読むような層は絶対に図書館で見かけたことがあると思うし、何なら追いかけていたシリーズもあると思う。映画「若おかみは小学生!」もかなり話題になったし、結構な人が何らかの形でここから刊行されているものに触れているんじゃないだろうか。

 そしてこのレーベルで主にミステリ小説を執筆しているはやみねかおるさんという作家がいる。彼の執筆した『夢水清志郎シリーズ』なんかはこのレーベルの看板作品の1つと言えるだろう。めっちゃ食うのに針金みたいな体型で黒ずくめの服着た探偵を名乗る変人と3つ子ちゃんの女子中学生が一緒に謎解きするアレである。思い出した?設定は変わっているものの漫画化やドラマ化も果たしている。

 で、そのはやみねさんが青い鳥文庫で執筆しているもうひとつのビッグタイトルが『怪盗クイーンシリーズ』である。Twitterとか定期的に話題になっているので、もしかしたら登場キャラの概要くらいは聞いたことがあるかもしれない。美形と生真面目と人工知能がいて、嘘みたいな物の盗み方する超面白い小説である。ちょっと私の筆舌では説明が難しいので公式サイトを見てくれ。

 ページ下部にキャラクター紹介がずらっと載っていると思うんだが、一通り見てみてどうだろう。「ああ〜、これみんな好きなやつね」みたいなことが浮かばなかっただろうか。特に組織別に見ていくと顕著じゃないかと思う。やるときゃやる変人に振り回される人×2組。個性が強過ぎるいわゆる「正義側」な組織。総帥のお嬢様を崇拝する裏組織。他にもヤバい関係性が掘れば掘るほど出てくる。仲は悪いのに似たもの同士、敵対することになる行き別れの親友同士、口下手なもどかしカップル、etc。

 思い当たる節はないだろうか。どれか1つくらいは「この関係性がすごい!best3」くらいに入ってるものがないだろうか。そう、みんなが好きということは、お前も好きなのだ。

 このジャンルに触れている人間というのは、おおかた好みのキャラのルーツにこの作品がある。「怪盗クイーン」で検索すると次に「性癖」と出るし、その次に「性癖 曲げられた」が出ると思う。小学生の未成熟な精神にこんなクソデカ関係性をぶつけられたらそりゃその方向に歪みが出ても仕方ない。怪盗クイーンは情操教育である。こころのノートよりも情緒に甚大な影響を与えている。幼少期に怪盗クイーンにハマった人間はずっとどのキャラにハマっても「これもクイーンのせいか」と思ってしまう十字架を背負うのである。

 私の「変人に振り回される人」「お茶目だしたまに口の悪い機械」あたりのフェチは絶対ここにルーツがある。Siriとかはもっと私のことをぞんざいに扱って欲しい。ちなみに完全に偏見なんだが「苦労人で長髪(ほっせえポニテが多い)、目元が涼しめで料理が上手い」キャラが好きな人間は全員このジャンルを通っていると思う。通ってないならぜひ今から通ってください。

 そんなみんなの性癖のふるさと、怪盗クイーンという住み慣れた蟻地獄から抜け出せない人間は多い。20代以上の購買層は青い鳥文庫でもトップだと思う。言うなればカルト的人気を誇るのだ。ついこの間シリーズ20周年を迎えた際も祝福の声やファンアートが多数見受けられた。そしてこのシリーズが節目を迎えるたび必ず発生する話題がある。

「メディアミックスまだ?」

 今公式から販売されているのは本編とそれに付随するキャラブック等の刊行物、LINEスタンプのみである。アニメ化、漫画化はされておらず、LINEスタンプ以外のグッズも存在するが、いずれも非売品である。アニメ化や漫画化に関しては皆々で共同幻覚をフワッと共有しているに過ぎない。幻覚上、今4期までやってるらしいです。そんなジャンルに突然、それも「近日重大発表!」みたいな告知もなく、「カフェとコラボしてアクキーやら何やらグッズ出します、絵は描き下ろし」と言われたらどうなるか。

シンプルに狂う。

 その時、人はシンプルに狂うのである。TLに誰かがリンクを貼り、ソースがはっきりした瞬間、「これは誰かの幻覚である」というお決まりの可能性を捨てざるを得ない。狂っているのは世界か、自分か。視界がグニャァ……となる。「嘘だろ」と「本当だ」がコンマ1秒ずつで明滅する。TLは恐ろしい速さで流れていく、川というか滝くらいの感じで流れている。滝に流される人間といえば、滝壺に真っ逆さまに突っ込む己を想像して叫ぶばかりであった。そういう地獄である。

 こんな予備動作ゼロのことありますかね?動きの全くない状態から予備動作なしの鋭すぎるパンチが飛んできたので普通にK-1かなんかだと思ってしまった。とりあえず暇だけが取り柄なので遠征することにしました。死ぬほど楽しみです。青い鳥文庫さんGraffArtCAFEさんにはとにかく感謝である。とにかく感謝がてら言わせてください。次から何しかの発表ある時は一旦準備体操の時間をください。 

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