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それにひきかえ脳波計ときたら

タイムラインのX homieの皆さんならもうご存知かと思うのだが、いまスイカゲームというゲームがちょっとしたブームになっている。

非常にシンプルないわゆる“落ちモノパズル”で、元々家庭用プロジェクターの内蔵ゲームだったものだ。Switch版にリメイクされたものをストリーマーがプレイしていたのがきっかけで、ここ2週間くらいで一気に人気に火がついたみたいだ。

🔽公式サイトとプレイの様子

買った。なんだかむしゃくしゃしていたので買った。
今朝はなんだか早く目が覚めてしまって、身支度を済ませても1時間くらい時間が余っていた。そこでなんとなくXを見たらファインプレーの切り抜き動画が流れてきた。ぽんぽんフルーツが消えていって気持ちよかった。
で、買った。

衝動買いといってもたった240円だ。経路検索したとき「各停しかないけど安いルート」とか選んじゃえば全然元がとれる。

素直にハマった。
1ゲーム目で予想通りに気持ちよくて、結局「いますぐ家出られます」くらいまで身支度していたのにリモートワークにしてしまった。40分間混んだ電車に揺られるより絶対こっちの方が有意義だと思っちゃった。出社した方が仕事が捗る?些事些事。

初めはフルーツがポンポンくっつくだけで気持ちが良かったのだが、何度かプレイするうちに欲が出てきて、「ちょっとうまくプレイしてやろう」とか思うようになった。

なんとなくコツを探しながらプレイしてみる。どうやらどんどんくっつけすぎてもいけないみたいだ。
フルーツをまとめると画面がスッキリするので気持ちはいいし、狙ったところに落ちやすい。ただし画面全体の流動性が失われて連鎖が起きづらくなったり、初期状態のさくらんぼとかいちごとかが落ちてくると結構やり場に困ってしまったりする。

ただどうしても大きい方へ大きい方へマージさせたくなるのが人の性だ。画面がごちゃっとなっているとどことなく不安になってしまう。
そこで一度煩悩を振り払うため、ひたすら真ん中からまっすぐ落とすだけ、というふうにプレイしてみた。三草二木、自然法爾。すべてのフルーツは平等に、ただまっすぐに落ちるだけ。禅である。

結果、そこそこスコアは出た。特に考えなくても連鎖は起きた。
私が自分で計算して出していた連鎖の半分くらいは運に起因していた。運良くそこにあったものがくっついたのを見てキャッキャしていた——ということなんだろう。
確かにうんうん言いながらプレイしていた時も、考えていたようでいて半分くらいは祈るような気持ちでやっているところがあった。ここに落としたらこう動いてくれ!とか、柿降ってきてくれ頼む!とか。

なんかそう思ったら急に怖くなってきた。
これパチンコとかソシャゲのガチャとかにハマってる心理とほぼ同じなんじゃないかしらと思えてきた。私は己の素直さに誇りを持っているが、こうまで単純に射倖心を煽られてしまうのだと実感するとその単純さにちょっとゾッとした。

だとしたらこんなの早くやめた方がいい。みんな!スイカゲームからはなれて!廃人になるわよ!

どんどん時間が溶けるので、「スイカゲームは節度を守って!」と思える理由が欲しい。危険性とかでロジカルに説き伏せてくれたらいける。「スイカゲームで出てる快楽物質は依存性の高いギャンブルと同じものです」と誰かに言ってほしい。

もう言葉にして言ってくれなくていい、せめてデータだけでも、データだけでも欲しい。脳波とか測って、パチンコ中毒の人のやつと並べて、「あ、ちょっと危険だね」って思いたい。

脳波計欲しい。

脳波計を扱う各メーカーの価格相場は、税抜で200〜600万円程度です。市場ごとで販売価格が異なる傾向があります。

フクロウ介護「【医療機器】脳波計のおすすめメーカーと価格相場」より

たっか。そんなにするんだ。これはなかなかの買い物よ。だってこれ以外に特に脳波計の用途ないし。他ある?あ、すごい良い同人誌とか読んだ時の動きとか記録して、感想に添えて送ろうかな。それくらい?それくらいか……。

見合わんな。
240円のゲームをやめるために年収吹っ飛ばしちゃ世話ないよな。

スイカゲームすごい。やっぱり話題になっているだけある。240円で数時間楽しめて、一生個人購入はしないであろう機器の値段を知るきっかけもできて、その結果2000字近くの文章を書く羽目になっている。ここまで人を突き動かす魅力があって240円。

この大コスパ時代、スイカゲームをやらない手はないんじゃないか。240円で結構濃厚な体験ができますよ。

それにひきかえ脳波計ときたら……。

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