蒐集家、団結する 第三章 五、完成へ至る道
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やがて辿り着いたのは、五階で最も博物館の出口に近い部屋だった。館内展示の最後を飾るガラスの前で、熊野は平泉にケースの鍵を持ってくるよう頼む。平泉が出口へ去っていく間、「楽土蒐集会」会長は微笑んで右手にペンダント――椛が「天使」に受け取ったものを固く握っていた。
「それはあたしのだよ! 返して!」
椛は声を上げたが、それが空間に虚しく広がっていくように聞こえた。熊野は答えず、手にする小物を軽く掲げる。
「これに使われているのは、草