映画な日常とモヤモヤな日常とカレーの頃

えみさんとロシア料理のランチを食べに。
店員さんが全員ロシアもしくは東欧系と思われる方で、まじでお人形さんみたいな金髪碧眼の男女が料理を持ってきてくれるもんだからドキドキしてしまう。
シェフの格好をしたショートカットの金髪に黒縁メガネのおば様なんか、映画の登場人物かと思ったもんね。
料理もとても美味しい。
ピロシキとボルシチとサーモンのクレープみたいな食べ物。
ボルシチは真っ赤でサラサラ、細かく刻んだキャベツと牛肉が入っていて、私がボルシチとして食べてきたでかい具材がゴロッと入ったシチュー的なアレは一体何者だったのか。
あちこちにふんだんに使われたサワークリーム、こいつぁとんでもないカロリーだぜ、さすがロシア料理でいらっしゃる、と思うが、大好きなのでもちろん残さず頂く。
えみさんとはご一緒してからもちょこちょこお会いしていて、そういう風にお付き合いして頂ける方と現場で出会えるのはとても嬉しい。
えみさんの数々の男らしいエピソードが披露され、大笑い&憧れ。
そう、思ったら、言っていいんだよね。うん、そうだよね。
別れた後は、ABCマートを見て、カフェでまたも3時間ほど作業。
せっかく落ち着ける穴場を見つけたと思ったら、今月末で閉店してしまうらしくて無念・・・
そして帰宅するか飲みに行くかまよった挙句、飲みに。
最初こそちょっと後悔するが、なんとまたOさんと会えて、しかも酒を飲めたのだった。
あんな風にお互い客の立場で飲むのは多分初めてで、東京を離れた人の話をして二人で泣きそうになった。
「俺たち時を経たなあマギー!」
ああ、また、まるで映画。
映画な日常を与えてくれる、周りの人に感謝。

今日も今日とて動く。
えっちらおっちら、本当にのろまだよなと自分でも思う。
せめてどんな経験も芸の肥やしにしましょう。
「観察して書くタイプ」と言われたのは、きっとまさにそう。

一週間が矢のよう。
もうビュンビュンで全くついていけない。
アレもコレもソレもやろうと思うのに、アレすら終わらずに1週間が過ぎていく。
グエエ。
こんな時こそ、決め事をやり抜いてしまわないと自分の首を締めるだけなんだぜ。知ってるんだぜ。
ええと、ストレッチは毎日できている。

実家から朝帰り。
洗濯して仕事してたら、またお金の問題で頭を抱える。
お金お金お金!!
ああ嫌だよう!
こんな風にお金で創作や人生を制限するなんて馬鹿げてる!
でも制限しないと破産しちゃう!
もうもう!
胃のあたりがもやもやするストレスに気付きながら、遅めの昼食を食べたら昼寝してしまった。
こういう時は一回切り替えるためにも寝るのがいいかと思ってね。でもお金のこと、忘れられなかったや。
夜は寝てしまうのを避けるため、夕食と仕事をしにカフェへ。
席に荷物を置いてから財布に500円しか入っていないことに気づいた。
お金お金お金!!
ため息ハアハアしながらATMに行き、情けなや・・・とカフェに戻る。
ご飯は美味しいんだが、クーラーが効きすぎていて寒い。
上着を持ってこなかった自分に悪態をつきながら、あったかい飲み物を飲もうとレジへ。
コーヒーはすでに昼間飲んでいるので、これ以上飲むと胃をやられる危険性があるからして、うーむ何を飲もう・・・
ハーブティー的なものがあると・・・ん?ギシギシ茶?
店員さんに聞いてみると「草の匂いが結構・・・好きな人は好きです」ってもうそれ、ほとんどまずいって言ってるようなもんやん!
でもええわ、無類のお茶好き、チャレンジしたろうやないか。
運ばれてきたポットのルックスがあまりにも「水草の浮いた池」なのと、グイグイ押し寄せてくる雨上がりの土手の匂いに、これはマジでダメかも・・・と怯むが、エイヤといってみる。
あ、結構いけるじゃん、と三口ほど飲んで仕事再開。
・・・ずっと口が土手。
水飲んでも薄まらない。
東京じゃあんまり嗅がない匂いだよね~なんてのどかに思える状況ではないの、ごめんなさい。
結局、仕事は半分ほどで立ち去る。
ああ、また明日から月曜日だ。
ああ、もっと時間をうまく使わねば。

「人を使える人になりなさい」というのは私の祖母の名言で、自分も主宰とか演出とかやっているからそうあるように務めている。
これは偉そうな人になれということではなく、=人がついてくるような人になりなさい、という意味。
実に難しいことなのだけど、周りの何人かの「人を使ってる人」を見ていると何がダメなのか気づかせてもらえる。
例えば、船頭がやる気をなくす、それを周囲にはっきり伝える、過剰に「疲れた」と言う、休んでいない自慢をする、トラブルを誰かのせいにする。
トラブルの解決策の有無はさして問題ではない。
自分の問題としてはっきり認識するか。
それだけで周りの人が助けてくれる率は変わってくる。
もちろん、金があれば、ついてこさせることはできるだろう。
決して本心からではない、金欲しさだけの部下がついてくる。
そして私はダメな人に使われる立場として苛立ってる場合じゃなく、反面教師にして学ぶべきだし、そこを居場所にしなければいい。
居場所のない不安と引き換えに、自由でいられる。なんつって。

打ち合わせの後に、カレーを食べに行く。
カレーカレーカレー。
もう本当に我ながらカレー大好き。
この文章体操をし出してハッキリした、もう私はカレー人間。
私がよく行く下北沢という立地にありながらなかなか閉店時間に間に合わず行けないことが多かった店、ランチならゆっくり行けるぜ!
ポタージュカレーと焦がしキーマの2種盛りで、心の底から幸せになった。
カレーの惑星、マイベストや・・・
スパイスたっぷり野菜たっぷり、追い飯(ご飯のおかわりを自分の好きなサイズ感でできる上に、そのご飯の上に薬味もふりかけてくれる寛大すぎるお心遣い!)できるし、もう本当に好き。らぶ。
スパイスカレー食べると顔の下半分が浄化される体質のようで、鼻水と咳が出て食べ終わる頃にはスッキリ。
まさにあの筒井康隆先生の名作「薬菜飯店」の実現じゃないか。
すっかり元気になったので、いつものカフェ(もうギシギシ茶は頼まない)でガリガリ仕事。
目標を終わらせた後は、狂ったように野菜を買い込む。
私は野菜を食べるとあからさまに元気になる体質。
逆に野菜が不足するとあからさまに不調になる。
というわけで再び「薬菜飯店」よろしく大量のピクルスを作り置きし、しばらく元気でいられる準備を整えた。
本当に30超えてから体の衰えも痛感するけど、同じくらい自分の体のフォローの仕方もわかってくるものです。

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