青桐美幸 2017年8月19日 23:51 行かないで。一人にしないで。吐き出した息は冬の空に融け、かじかんだ手は伸ばす力を失った。引き止める手段を持たないのに、暴れる感情は無数の棘となって自身に突き刺さる。唯一伝えられたのは、「…泣くなよ」止め処なく溢れる雫だけで。待ってろ、とこめられた腕の感触だけが、鮮やかで、確かで。 #小説 #140字小説 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート