駅のホームで帰りの電車を待つ二人。寒いから先に乗れよ、と逆方向のそれを見て促されるけれど、離れがたくて「まだ大丈夫」と二本目を見送る。とうとうリミットが来て目前でドアが開いた時、不意に手を握られた。「うち来るか?」見上げるとやや緊張した眼差しに射抜かれて。無言で一緒に乗り込んだ。
140字小説6

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